クリニックの窓教えて、開業医のホント

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- 新井こどもクリニック -
埼玉県熊谷市
 

 埼玉県熊谷市中心部よりおよそ車で5分程の所に、未だ田園風景が残る閑静な新興住宅地に、小児科専門の新井こどもクリニックがある。敷地面積は300坪、延べ床面積が41坪の民家風の平屋建ての造りだ。オーダーリース物件とはいえ都市部では信じられない程恵まれた敷地で、駐車場数も20台のスペースがある。車椅子が入れるように意識したというバリアフリーの診療所の中に入ると、待合室と同スペースのプレイルームや紫外線による空気殺菌器で常に院内を清潔な環境に保ち、隔離室等感染防止に気を配った、お母さんにも安心して待つ事が出来る造りになっている。また、検査結果がすぐわかるようインターネットを導入している点は見逃せない。 

  院長の新井氏は、埼玉県生まれで信州大学を卒業後、群馬大学小児科に入局後、国立精神神経センターで小児神経学を研修し、アメリカへの留学の経験もある。開業は 1999年8月2日で15年間バイト勤務した熊谷生協病院(元小児病院)近くに開業した。開業当初は1日平均10人程度であった外来数が、1年経った現在では40人近くまで達している。とかく小児科での開業は少子高齢化の中、難しいと言われているが、院長は「あえて専門性を打ち出す事により他との差別化が図れる」また、「こどもは、内科・小児科ではなく、小児科専門医が診るものである」と語る。そのため、一般内科の豊富な経験もあるが、標榜科目も小児科・アレルギー科・小児神経科と内科は設けていない。 また、子供を泣かせないために普段着で白衣は着用せず、米国国立ワシントン小児病院のマスコットをモディファイした、パンダのワッペンもユニークで親しみやすい。電話で母親より相談を受けることもしばしばあるが、気安く受けており、好評である。

 開業から1年が経ち、勤務医との違いについて聞くと、「未だ開業して1年だが、勤務医時代よりは収入の面では少なくなっていると思うが、それよりも自分の特徴をより生かす事が出来、何よりも患者さんと一生長くお付き合いが出来る。ということは、患者さんにとっても安心ではないでしょうか。」と語る。

 今後の院長の方針としては、地域に根差し病診連携を重視した丁寧な小児科診療を行う。現在もパンフレットを使用した病気の説明・服薬指導や食事の仕方等をより充実した内容にする。専門外来を充実し、乳児指導・育児指導および専門のてんかん外来を中心とした小児神経外来を強化していく。その方針の成果に今後の活躍が期待される。

       


2000.9.1掲載 (C)LinkStaff


リンク医療総合研究所 非常勤で働きながら開業準備