クリニックの窓教えて、開業医のホント

バックナンバーはコチラ

- 西沢内科クリニック -
東京都世田谷区
 

西沢内科クリニックは、世田谷区の閑静な住宅地の一角にあり、1階(約17坪)と地下1階(35坪)からなる診療所である。1階部分はほぼ全て受付のスペースとなっており、空間を贅沢に使っている。

エントランスから入るとまず受付があり(現在無人)、右側にある吹き抜けになっている螺旋階段から地下におりる構造になっている。地下は1階と同様に天井も高く圧迫感のない造りで、主に待合室と診察室となっているわけだが、この待合室は「保険の点数などでは表せない、音(有線放送)や匂い(アロマテラピー)や色彩(絵)といった付加価値を提供したい」という院長の要望を実現しており、クリニックの待合室とは感じさせない。もちろんエレベーターも設置されており、入口から診療室・トイレまでスリッパ等に履き替えることもなく移動できる完全なバリアフリーである。また、診察室の位置から待合室を見ることができ、診療所全体のことを把握できる構造だ。地下の受付は、曲線状のデザインを施して柔らかさを演出しており、また、置物の配置等、細やかな心使いを感じた。待合室は落着いた安らぎの空間だが、診察室は、地下ながらガラス窓からの外光を十分に取り入れた明るい空間となっている。特に目立つよう医療機材がある訳ではないが、週2回の往診とプライマリーケアに徹する診療方針を考えると十分な設備である。内装ではとくにこれという訳ではないが、とにかく全体の雰囲気に気を使い、設計士との打ち合わせは頻繁だったという。

 1999年7月の開業で開業当時は1日平均2、3人から5人程度の患者数であったが、ちょうど1年たった今では30人~40人の患者数にまで伸びてきている。開業以来、「何気なく歩いていたら気づかないクリニック」(西沢氏談)という目立たない外観であり、また特に宣伝等をする訳でもなかったが、順調な患者数の伸びを見せているのは院長の今までの実績によるところが大きい。

 「内装などでも患者さんに少しでも快適なように配慮しているのだが、電子カルテを導入したことで時間も費用も場所も節約できた。患者さんによりスムーズな対応ができるようになった」というように診療の質を上げる為の配慮が数多く見うけられた。さらに
、電子カルテについて西沢氏は、「最初の1年で約300万円かかったが、人件費等を考えると非常に安い買い物だった。また、このおかげで1日平均60人~70人程度の患者さんの数であれば楽に今の体制で対応できる(現在、西沢医院長1人で診察を行っている)」と考えている。
以上のような診療方針は院長のみならず、奥様や事務長の意見に負うところが大きいという。

       

2000.7.15掲載 (C)LinkStaff

バックナンバーはコチラ

リンク医療総合研究所 非常勤で働きながら開業準備

おすすめ求人

  • 矯正医官
  • A CLINIC GINZA
  • フォーシーズンズ美容皮膚科クリニック
  • 長野県医師紹介センター