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プラマリケア医の誇りを胸に地域医療に貢献

榎本 あき矢 院長

榎本 あき矢 院長プロフィール

 1969年に東京に生まれる。1994年に日本大学医学部を卒業し、2000年に日本大学大学院医学研究科を修了する。2000年に相模原協同病院、2004年に日本大学練馬光が丘病院に勤務を経て、2006年に東松山市立市民病院に外科医長として着任する。2008年に桜丘クリニックを開設する。
 医学博士、日本外科学会認定専門医、日本医師会認定産業医。

 千歳船橋は新宿から小田急線で約20分と便利なエリアであるが、閑静な住宅地を背後に構える。榎本あき矢院長がこの地に開業したのは2年前のことである。榎本院長は消化器疾患、がん治療に携わってきた経験を生かして、幅広く、かつ専門的な診療が受けられるクリニックを目指している。地域住民の命と健康を守る若き俊英である榎本院長に、プライマリケア医の果たすべき役割、これから開業する医師へのアドバイスなどをお聞きした。


開業前後

病院風景

 榎本院長は子どもの頃から人の体に興味があり、人間の体に小宇宙のような神秘性を感じていたという。とにかく自然科学が好きな子どもだったそうだ。手塚治虫の漫画『ブラックジャック』のファンでもあった。高校2年生のとき、将来の進路を決める試験を受ける機会があり、文系と理系の要素を持っていると言われた。そういう適性のある高校生にふさわしい進路の一つに医師があった。

 「父は法律家をしており、親戚にも医者はいませんでしたが、漠然と医者になりたいなと思ってはいました。ブラックジャックに憧れていたせいもあったのでしょう。適性試験の結果から、父のあとを継いで法律関係の職業に就くか、医師になるか迷いましたが、小さい頃から夢だった医者を目指そうと決めました。それで医学部に入ったのですが、専門分野の勉強をするようになってから勉強が面白くなりました。知識を面白いように吸収していったのです。人間を対象にする医学は理系一辺倒でも理解が難しいんです。人間を理解するという意味では文系の感覚も必要ですので、私に向いていたのかもしれませんね。」

 大学を卒業すると、子どもの頃に憧れていたブラックジャックと同じ外科医の道に進んだ。

 「医学部を卒業して研修医として第3外科に入局しました。研修医を修了して大学院に進み、肝細胞癌の発癌メカニズムとC型肝炎の感染疫学を研究しました。」

 大学院を修了して、再び第3外科に戻り、臨床医として寝食を忘れて日常の臨床に没頭した。医師になる者が誰でもそうであるように臨床医としての医療技術の習得に努めた。

 「あの頃は仕事しか頭にありませんでした。医局時代はほとんど不眠不休状態です。それでも大学病院だけでは十分な実力は身に付かないので、市中病院で当直のアルバイトをして外科医としての経験を積みました。家には月のうち10日くらいしか帰らない生活でした。」

 医局人事で相模原協同病院、日本大学練馬光が丘病院、東松山市立市民病院などを経て、十分な研鑽を積み、満を持して2008年に開業した。榎本院長は開業するにあたって、東京23区のほぼ西半分の地域をリサーチし、その中から最も条件に合った現在地を選んだ。

 「現在、1日の受診者は平均して40人くらいでしょうか。小さなお子さんからご高齢の方まで幅広く診ています。開業医は医療の最前線です。プライマリケアを担う仕事をするという点では現在の立地に満足しています。」

 開業にあたっては広さにこだわったという。その言葉通り、待合室、診察室、通路がゆったりと設計され、患者さんに窮屈さを感じさせない。診察室はドアで仕切られ、大きな声を出さなければ患者さんのプライバシーは守られている。

 院内を清潔に保つことは一義的に重要だが、患者さんに満足していただく医療サービスの提供には隅々まで行き届いた配慮が必要なのだ。

 「病気を煩うと、通常は気にならないことが気になります。たとえばわずかの暑い、寒いといった室内環境も不快に感じたりするものです。したがってクリニックの環境にはとても気を遣っています。」


クリニックの理念

病院風景

① 病気の話を繰り返し、分かりやすく説明します。
   患者さんが理解することが難しい病気の話も繰り返し説明し、理解を深めてもらう。

② プライマリケアに幅広く対応します。 高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病や体調の
   不安、ケガに幅広く対応する。

③ 皮膚科や消化器内科の専門的な治療も行います。 消化器の病気は榎本院長、片田先生の
   専門領域で、特に「胸やけ」など食道の病気は片田先生が専門医として相談に乗っている。
   皮膚科に関しては全ての医師が診療し、専門的な治療が必要と認められれば皮膚科医が
   対応する。

④ 負担の少ない内視鏡検査を実現します。
   経鼻内視鏡・経口内視鏡、両方用意し、患者さんのご希望により麻酔下での検査にも対応する。
   始めて内視鏡検査を受ける患者さんの多くは緊張するが、緊張をときほぐす言葉かけを心がけている。

⑤ レントゲン、エコー、内視鏡の画像を見ながら、分かりやすく説明します。 検査結果をすぐに画像で表示し、丁寧に説明する。


クリニックの内容・経営方針

病院風景 桜丘クリニックの標榜科目は内科、消化器内科、食道内科、皮膚科、外科である。また榎本院長の経験を生かした内視鏡検査(食道・胃・大腸)も実施している。消化管を診る医師にとって、特にプライマリケア医にとって最も重要なことは重大な病気を見逃さないことである。少ない情報量しか得られない初期診療で、たとえば悪性腫瘍を見逃さないためには内視鏡検査に習熟していなければならない。榎本院長は開業して間もないにもかかわらず、悪性腫瘍を発見して、何度か近隣の大病院に患者さんを紹介したという。

 「医師は私を含めて3人です。1人は日本外科学会認定専門医、指導医の資格を持ち、北里大学で外科講師をして、食道疾患をセカンドスペシャリティにしている医師です。もう1人は皮膚科医である妻の由貴乃です。皮膚科全般を扱いますが、シミやシワなどの美容的な悩みにも対応しています。スキンケア外来も担当し、皮膚科領域の多様なニーズに応えています。」

 スキンケア外来は患者さんのニーズに応えていることの一つだが、その他にもAGA治療、禁煙指導、各種予防接種にも対応している。

 「プライマリケア医として重要なことの一つは患者さんの話を受け流さないことです。患者さんの訴えに対して『気のせいでしょう、年のせいでしょう、あまり気になさらないように』という対応をしたのでは失格でしょう。患者さんへの説明はきちんと丁寧にすべきです。また薬物療法などで薬のコンプライアンスが良好に保てないと思われる患者さんには1日1回の服用で済むような処方を考えます。慢性疾患では薬剤コンプライアンスは非常に重要なので、患者さんに応じて丁寧な治療方針を立てることが求められます。」

 とはいえ、多くの患者さんを診る立場としては1人の受診者に長時間割くわけにはいかない。

 「患者さん、特にご高齢の患者さんは多くの愁訴を持っておられますから、たった1回の診療で全ての問題を解決するのは難しい。そこで、私は1つでも問題解決の糸口を見つけてさしあげて、患者さんに満足していただき、次に受診されるときには別の問題を解決するようにしています。」

 榎本院長は患者さんに自分の病気について十分理解していただくことで安心してもらい、桜丘クリニックの医療サービスに満足していただけることを目指してきた。そしてその思いは着実に実を結ぼうとしている。桜丘クリニックは近隣の住民になくてはならない医療機関になりつつあるのだ。


増患対策

病院風景  開業後の増患対策は新規開業医にとって必須だが、榎本院長も様々な増患対策を講じている。しかし、もっとも重要なのは受診した患者さんの評価だろう。

 「開業してまだ2年ほどなので、地域の方々に当院を知っていただくために電柱広告、タウンページ、フリーペーパーなどを活用しています。あとはインターネットの病院検索サイトにも掲載しています。そうした活動は重要ですが、まずは個々の患者さんに満足していただくことに尽きますね。それによって地域での評価が高まり、増患対策にもつながると考えています。」

 言葉を一つ一つ選んで語る榎本院長の柔らかな表情からは丁寧な診療姿勢が伝わってくる。


地域の医療環境

 近くに関東中央病院があるほか、国立東京医療センター、東邦大学医療センター大橋病院、東京医科大学病院などにも紹介状を書いている。

 「紹介するときには、信頼できる先生に紹介することはもちろんですが、患者さんの利便性を考えることにしています。紹介する先生は気心のよく分かった先生なので、安心して患者さんを託すことができます。信頼できる専門医を数多く知っていることはプライマリケア医として重要なことです。そのためにも大学病院主催の勉強会などに積極的に参加しています。」


これから開業しようとする先生へのアドバイス

 私は幅広くプライマリケアを実践するというコンセプトで開業しましたが、もしかしたら最初はご自身の専門性を全面に出して開業された方がいいのかもしれません。専門領域での実績を積み上げて患者さんから評価されれば、専門以外の領域でも患者さんはいろいろな問題を相談するようになるのではないでしょうか。


プライベートタイム

 体を動かすことはずっとやっていきたいですね。スポーツはテニスとゴルフをやっています。ゴルフは年に1、2回程度しか行けないのですが、テニスは夜に時間があれば、コートでラケットを振っています。映画が好きなのですが、映画館に足を運ぶ時間がないんですよ。DVDやテレビで放映する映画を録画して楽しんでいます。スリルのあるサスペンス映画や気持ちがスカッとするようなアクション映画やアドベンチャー映画が好きですね。


タイムスケジュール

タイムスケジュール

クリニック平面図

平面図

クリニック概要

桜丘クリニック

  院長 榎本 あき矢 氏
  住所 〒156-0054
東京都世田谷区桜丘5-17-4 直井ビル1F
  医療設備 X線、CRシステム・高精細モニター、内視鏡(上部、下部、スコープは3本)、エコー、心電計
  物件形態 ビル
  延べ床面積 -
  開業資金 -万円
  URL http://www.sakuragaoka-clinic.com/
地図

2010.02.01.掲載 (C)LinkStaff

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