草加眼科クリニック
小手 重臣 院長プロフィール
1967年に千葉県市原市に生まれる。1994年に岡山大学を卒業後、千葉大学医学部附属病院放射線科の治療部門で研修医となる。1996年に千葉大学医学部附属病院放射線科の治療部門で医員を経て、1998年に千葉大学医学部附属病院眼科に勤務する。2003年に井上眼科病院に勤務する。2005年2月に埼玉県草加市に草加眼科クリニックを開業する。
◆ その他経歴
日本眼科学会認定眼科専門医など。
埼玉県草加市は江戸時代、日光街道で江戸から2つ目の宿場町として栄えた街である。高度経済成長期の1963年には東洋一と言われた松原団地が造成され、2003年には東武伊勢崎線と東京メトロ半蔵門線の相互直通運転が始まった。草加駅からは大手町駅や表参道駅に乗り換えなしでアクセスできることから、人口が爆発的に増大している。他都市から引っ越しして来た人々が多いので、市民の平均年齢が比較的若いのが特徴だ。東京都足立区と接しており、市内には住宅街が大きく広がっている。
草加眼科クリニックは草加駅から徒歩3分ほどの好立地を得て、2005年に開業した。小手重臣院長は千葉大学医学部附属病院、井上眼科病院などでキャリアを積み、草加の地を開業場所に選んだ。「患者さんの話を徹底して聞く」という小手院長の姿勢が口コミで評判を呼んでいる。
今月は草加眼科クリニックの小手重臣院長にお話を伺った。
開業に至るまで
◆ 医師を目指された経緯をお聞かせください。
小学5年生のときには既に目指していました。最近、実家で小学校時代の文集を見付けたんですよ。そこにも医師になりたいと書いていましたね。文集には「経営者になる」とも書いていましたので、開業することも当時から既に考えていたのかもしれないですね。やはり、社会に貢献できる仕事として、医師という職業を選んだのだと思います。
◆ 大学時代はどのような学生でしたか。
親戚に小学校の先生が多いからでしょうか、私も教えることが好きなのです。大学時代には家庭教師や塾、予備校での講師をしていました。1週間に8つの仕事を掛け持っていたこともあります。私は今も小学校の高学年の子どもさんに分かるように説明することを心がけていますが、学生時代の経験が役に立っていますね。もともと話し好きで、難しいことを分かりやすく説明し、「そうなんだー」と喜ばれることがとても嬉しいんです。
◆ 大学時代はどんなご趣味をお持ちでしたか。
競技スキー部に所属していました。今はスポーツカーでのドライブが好きですし、スピードを出すことが好きなんでしょうね(笑)。大学は岡山ですが、岡山は山陰地方に出やすいので、スキーは山陰でやっていました。楽しかったですね。
◆ 専門を眼科に決められた経緯をお聞かせください。
出身が千葉ですので、大学卒業後は千葉に帰り、千葉大学の放射線科で研修を行いました。ところが、放射線科はターミナルの患者さんが多く、患者さんが次々に亡くなるのを見て、耐えきれなくなったんです。一方で、眼科は患者さんが亡くなるような事態になることがほとんどないですし、そういった面に惹かれて、眼科を選びました。
◆ 眼科に入局されてみて、いかがでしたか。
私は今も患者さんとお話をするのが好きなので、当時も外来が楽しくて仕方なかったですね。患者さんと直に触れ合えるのが外来の魅力です。治療が長い期間に及んでしまうことの多い放射線科と異なり、眼科は治療の結果が目に見えて分かりやすいです。外来での診療のあと、元気になって帰っていかれる患者さんの姿を見て、眼科を選んでよかったなと思う日々でした。
◆ 勤務医時代を振り返っていかがですか。
10年ほどの勤務医生活の中で一番、有り難かったのは様々な上司に巡り会え、お世話になったことです。眼科医として必要な技術やあり方を上司から学び続ける日々でした。お世話になった先生方に対しては今も感謝の気持ちを忘れることはありません。
開業の契機・理由
◆ 開業を決心された理由をお聞かせください。
開業については大学の医局を辞める頃から漠然と考えるようになりました。私は外来が大好きでしたから、もっと外来を楽しみたいと思ったのが開業を決心した理由です。
◆ 開業地はどのようにして、選ばれたのですか。
千葉市内に住んでいますので、自宅から1時間ぐらいで行ける場所ということで考えていました。草加市は東京都に接している街ですし、東京からも自宅からもアクセスしやすいところが良かったです。その中で、最近、東京スカイツリーラインという名称に変わった東武伊勢崎線の草加駅前に焦点を絞りました。そして、休みの日に自分の足で歩き回って、この物件を見付けたのです。
◆ 開業地の第一印象はいかがでしたか。
草加駅から歩いて3分ほどですし、駅からの距離は問題ないと思いました。草加市役所や銀行なども近くにあり、人通りが多いところも良かったですね。診療圏調査でも良好な結果を得ることができました。
◆ 開業するまでにご苦労された点はどんなことですか。
最近の開業は銀行の融資が厳しいという話を聞きますが、私のときはそれほど厳しくなく、すんなりと交渉できましたし、その点は運が良かったですね。苦労したのはやはり場所探しでしょうか。場所さえ決まれば、あとはスムーズにいくように思います。探している期間が長くなってきたときは少し辛かったです。
◆ 設計、内装などの工夫をお聞かせください。
私はあまりこだわりがありませんでした。全てをプロにお任せしたんですよ。強いて「こだわり」と言うのであれば、「普通の眼科クリニックのように」ということでしょうか(笑)。
◆ 医療設備については、いかがでしょうか。
リーズナブルに、シンプルに開業するというのが目標でしたので、一般的な眼科のクリニックが揃えているようなものを私どもでも揃えていきました。
◆ スタッフ集めなどはいかがでしたか。
私以外は9人のスタッフがおり、常時、半分ほどの人数が勤務している状況です。スタッフ集めでは特に苦労することもなかったです。
クリニックについて
◆ 診療内容をお聞かせください。
眼科の一般診察を行っています。ドライアイ、アレルギー性結膜炎、花粉症、白内障、飛蚊症、糖尿病などでの患者さんが多いですね。また、再検査の方への対応として、目の健康相談を行っています。
◆ 診療方針をお聞かせください。
患者さんや子どもさんが病気になってしまった親御さんの不安を解消するよう、努めています。患者さんが診察室に入られたら、私は立ち上がって挨拶しています。患者さんは緊張されているのに、座ったままで顔も見ないで診察を始める医師では患者さんの不安はより強くなってしまいます。
そのため、私どもでは患者さんが辛い症状を全てお話ししてくださるような雰囲気を作っています。患者さんのご親戚が眼科医だったとしたら、患者さんはきっとリラックスして、ざっくばらんに本音で話し合うはずです。私も親戚の眼科医と思っていただけるように接しています。つい話し過ぎて、診察時間が長くなってしまい、ほかの患者さんの待ち時間が発生しているのが悩みの種です。
◆ 病診連携については、いかがですか。
草加市立病院、独協医科大学越谷病院、東京の井上眼科病院との連携が深いです。井上眼科病院は以前、勤務していた病院ですので、今もいい関係が続いています。私どもでは手術をしていませんので、手術症例は全て紹介していますし、手術以外でも紹介状を書く機会は多いですね。
◆ 経営理念をお教えください。
私どもではどうしても待ち時間が発生してしまいます。そこで、患者さんが少しでも楽しくお待ちになれるような工夫をしています。壁には患者さんの声を掲示したり、待合室には大人も喜ぶような漫画も揃えています。子どもの患者さんには子供向けのDVDを放映していますし、ベビーベッドも用意しています。さらに、お子様をお連れの保護者の方にはマッサージ椅子も勧めるなど、お待たせをしてしまうゆえにそういったおもてなしを大切にしています。
◆ スタッフ教育はどのようにされていますか。
スタッフの中に1人、接遇マナーなどに詳しい人がいますので、基本的には彼女に任せています。私が特に指導しなくても、彼女の方が気付いて、ほかのスタッフをよく指導してくれているので、助かっています。
◆ 増患対策について、どのようなことをなされていますか。
看板はクリニックの前に置いているだけですし、増患対策としてはホームページの充実を心がけています。しかし、ホームぺージは開院日に既にオープンしていたわけではなく、最初は私が手作りしていたんですよ。それでも、開院当時から多くの患者さんにいらしていただいています。来院動機としてはホームページよりも口コミの方が圧倒的に多いですね。私が徹底して行っている、「患者さんのお話を聞くこと」が好評をいただいているようです。そういう姿勢が一番の増患対策ではないでしょうか。
開業に向けてのアドバイス
私は非常にいい時期に開業することができましたが、今は景気も悪いですし、開業に際してのリスクは高いです。実際に開業したとしても、大変でしょうね。診療報酬が今後、どうなっていくのか未知数ですし、急いで開業する必要はないでしょう。開業しやすい時代になるまで、しっかり腕を磨いておくことが大切だと思います。
プライベートの過ごし方(開業後)
子どもが4人おり、子どもたちと遊ぶ時間が最も楽しいですね。車も好きで、マツダのロードスターを3台連続で乗り継いでいます。峠にドライブに行くのもストレス解消になっています。
タイムスケジュール
クリニック平面図
クリニック概要
草加眼科クリニック | ||
院長 | 小手 重臣 | |
住所 | 〒340-0015 埼玉県草加市高砂2-2-28 |
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医療設備 | 眼科一般の医療設備 | |
スタッフ | 10人(院長、そのほかのスタッフ9人) | |
物件形態 | ビル診 | |
延べ床面積 | 約80坪 | |
敷地面積 | 約80坪 | |
外来患者/日の変遷 | 開業当初 70人 → 3カ月後 70人 → 6カ月後 70人 → 現在 70人 | |
URL | http://www.soukaganka-clinic.jp/ |