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しみず整形外科クリニック

清水 一郎 院長

清水 一郎 院長プロフィール

1967年に東京都文京区で生まれ、新宿区で育つ。1992年に日本大学を卒業後、日本大学整形外科学教室に入局する。1993年に国立立川病院(現 国立病院機構 災害医療センター)、1994年に川口市立医療センターに勤務を経て、1997年に春日部市立病院に勤務する。1998年に日本大学医学部附属板橋病院、1999年に日本大学医学部付属練馬光が丘病院(現 練馬光が丘病院)に勤務を経て、2002年に日本大学医学部附属板橋病院に勤務する。2002年に日本大学整形外科学教室医局長に就任を経て、2003年に日本大学医学部付属練馬光が丘病院リハビリ科医長に就任し、整形外科講師を兼任する。2004年に日本大学練馬光が丘病院整形外科医長に就任する。2010年3月に日本大学整形外科学教室を退局し、5月に埼玉県川口市にしみず整形外科クリニックを開院する。


◆ その他経歴

日本整形外科学会専門医、日本リウマチ学会専門医、日本整形外科学会スポーツ医、日本整形外科学会リハビリ医など。

 鋳物工業で有名な埼玉県川口市は東京都北区、足立区、さいたま市などに接する都市で、埼玉県ではさいたま市に次ぐ、56万人の人口を有している。市の南北をJR京浜東北線が、東西をJR武蔵野線が通っているほか、最近では埼玉高速鉄道も開通し、都心へのアクセスに恵まれている。
 しみず整形外科クリニックのある柳崎は川口市の北部にあり、さいたま市緑区との境界に位置する。近隣には埼玉県営川口柳崎団地があり、JR武蔵野線の東浦和駅周辺には大型スーパーマーケットを始め、各種の商業施設が集まっている。東浦和駅からは京浜東北線と連絡する南浦和まで1駅、埼京線と連絡する武蔵浦和まで2駅であることから、周辺人口は多い。
 しみず整形外科クリニックはJR武蔵野線の東浦和駅から徒歩10分ほど、東浦和駅やJR京浜東北線の蕨駅、西川口駅からの路線バスも利用可能な場所に2010年に開業したクリニックである。清水一郎院長は日本大学の系列病院で長くキャリアを積み、整形外科の一般診療のみならず、リウマチなどの関節外科を専門にしてきた。開業にあたっても、整形外科のほか、リハビリ科、リウマチ科を標榜し、地域の患者さんのニーズに応えている。
 今月はしみず整形外科クリニックの清水一郎院長にお話を伺った。


開業に至るまで

病院風景 ◆ 医師を目指された経緯をお聞かせください。
 父は時計などの装飾品やインテリアのデザインから製造、販売を行う会社を経営しており、私が跡を継ぐことを期待していました。でも、私は「二代目」というのが嫌で、父とは別の仕事をしたいと思っていたんです。そこで、父を説得するためには建築家か医師になるしかないと思い付いたのがきっかけです(笑)。高校は獨協高校で、医師を目指す同級生が多かったことにも影響を受け、医学部を受験することにしました。

◆ 大学時代はどのような学生でしたか。
 ヨット部に入り、ずっと海にいるような生活でしたので、勉強は全然していませんでした(笑)。日頃は千葉の海で練習するのですが、シーズンになると湘南に移動します。シーズン中はレースがずっと続くので、本当に船三昧でしたね。医学部ですし、試験はそれなりにありましたが、何とかクリアしていました(笑)。

◆ 大学時代はヨットのほかはどんなご趣味をお持ちでしたか。
 バンドでドラムを叩いていました。ドラムは中学の頃から始めて、先生について習っていたこともあります。ライブにも出たり、ヨットと並行して楽しんでいました。本当にエンジョイできた学生時代でしたね(笑)。

◆ 専門を決められた経緯をお聞かせください。
 外科的なことに関心がありましたし、医師になるのであれば外科系でと思っていました。私はもともと運動が好きでしたので、骨折も何度となく経験していますし、怪我が多かったんです。それで、外傷に対する興味から整形外科を専攻しようと、割と自然に決めました。

◆ 日本大学に入局しようと思われたのはどうしてですか。
 当時は今のような研修制度はなかったですし、母校に残るケースが多かったですからね。私の場合も先輩に引っ張られて、選ぶ余地もありませんでした(笑)。ただ、研修先としては外の病院も選べたのです。それでも日大にいたのは日大の整形外科が症例に偏りがなく、バランスの良い診療科だったからですね。外傷、脊椎などの関節疾患、腫瘍など、多彩な分野をカバーしていました。それはポリクリのときの印象でもありました。出身大学の診療内容に偏りがあれば外の病院に行ったはずですが、出身大学の診療内容に偏りがないのであれば、わざわざ外に出る必要もないので、母校でしっかり教育を受けようと考えました。

◆ 多くの病院にいらしていますね。
 日大の整形外科では、最初の4年間は研究班に所属という形で、外部の病院で勉強させていただけます。大学にいると、手術の執刀がなかなかできないのですが、外部の病院ですとチャンスが回ってきますからね。若手は手術を経験したいですし、学外で症例を積むシステムになっているんです。市中病院はやはり外傷が多いですね。川口市立医療センターは特に忙しかったです。

◆ リウマチを専攻なさったのはなぜですか。
 当時の国立立川病院に勤務したときに院長だった西法正先生が関節疾患を専門にしておられて、骨切りの手術などもされていたんです。また、日大の龍順之助教授も関節がご専門で、アグレッシブに治療をなさっていますので、お二人の熱意や人柄に惹かれました。関節外科は外科的治療のみならず、内科的治療を行う点も面白いと感じていました。

◆ 勤務医時代を振り返っていかがですか。
 楽しかったですね。手術の機会が多く、上司や仲間にも恵まれ、本当にいい環境で過ごせたと思っています。


開業の契機・理由

病院風景 ◆ 開業を決心された理由をお聞かせください。
 人工関節や関節疾患、リウマチの内科的治療などを中心に、10何年、勤務医をやってきて、このまま大学や大病院で関節外科を全うしてもいいと考えていました。ところが、大学は専門が細分化していますので、一人の患者さんに対して、背骨だとか膝だとか股関節だとか、局所しか診なくなってしまうんですね。トータルに診る時間がないんです。私としてはいわゆる専門馬鹿にはなりたくありませんでしたし、私には内科的なことも含めてジェネラルに診る方が向いているのではないかと思い、徐々に開業に気持ちが傾いていきました。
 ただ、開業するとなると、手術を諦めなくてはいけません。そこは迷いましたね。しかし、膝の手術だけで1000例以上してきましたし、十分な経験を積んだという満足感も得ましたので、自分の持っている能力を活かして、トータルに診る開業医になりたいと開業を決意しました。

◆ 開業地はどのように決定されたのですか。
 自宅が新宿区にあり、練馬光が丘病院に勤務していたこともあって、最初は新宿区や練馬区で探していましたが、なかなか物件がありませんでした。そういう話を川口市内で外科を開業している義父に話したところ、このあたりは整形外科が少ないと聞き、それなら川口で探そうと思いました。以前、川口市立医療センターに勤務していたこともありましたので、身近な街でしたしね。

◆ 第一印象はいかがでしたか。
 静かでいいところだなと思いました。地域に根差したクリニックにするためには、がやがやとしている駅前よりも静かな住宅街の方がいいと考えていましたので、理想的でした。

◆ 開業するまでにご苦労された点はどんなことですか。
 スタッフ集めでしょうか。東京電力の求人誌に依頼しました。リハビリスタッフはすぐに集まりましたが、看護師がなかなか決まりませんでした。でも、待った甲斐があって、とてもいい看護師が来てくれて、良かったです。

◆ 当初はどういったスタッフ構成でしたか。
 常勤看護師が1人、非常勤看護師が1人、常勤事務が1人、非常勤事務が2人、リハビリスタッフが4人です。現在は非常勤看護師、非常勤事務、リハビリスタッフを何人かずつ、拡充しています。

病院風景 ◆ 設計、内装などのこだわりをお聞かせください。
 一番はゆったりできるようにということですね。整形外科ですし、ゆっくりお待ちいただけるように、待合スペースには椅子を多めに配置しています。
 外観はコンクリート打ちっぱなしのような、暗く、冷たい感じよりも、温かみがあって、入りやすい雰囲気にしています。天窓を多く取り入れ、自然光が入りやすい設計になっていますので、患者さんもリラックスしてくださっています。車椅子の方も入りやすいように、通路だけでなく、診察室やお手洗いも広めの作りにしています。

◆ 駐車場も広いですね。
 地域柄、車で通院される患者さんが多いので、駐車場をきちんと確保しようと考えていました。建物の前に6台停められるほか、近くに4台ほど停められるスペースがあります。

◆ 医療設備については、いかがでしょうか。
 一般的な整形外科クリニックにある設備を用意しました。開業準備の中で、何を導入するかをきちんと決めていましたので、必要なものは最初から揃えており、あとから買い足したものはほとんどないですね。


クリニックについて

病院風景 ◆ 診療内容をお聞かせください。
 整形外科のほか、リハビリ科とリウマチ科も標榜し、リハビリ治療を含めた、整形外科の専門的な治療を行っています。腰痛、膝痛、肩凝り、関節痛、神経痛、スポーツ外傷、切り傷、骨折、脱臼、リウマチ、骨粗鬆症など、幅広く診ていますね。
 開業してからは一般の整形外科診療で手一杯だったのですが、開業して2年経って、少し落ち着いてきましたので、もともとの専門であるリウマチに関しては、生物学的製剤の使用も含めて、もう少し手を広げたいと思っています。
 また、このあたりは高齢の患者さんが多く、ニーズもいただいていますので、デイサービスや訪問リハビリなど、介護保険を利用した形での医療を提供していくことも視野に入れています。

◆ 病診連携については、いかがですか。
 川口市立医療センター、埼玉協同病院、済生会川口総合病院、川口工業総合病院、東川口病院などが主な連携先です。川口市立医療センターの及川久之部長は大学時代の2年先輩で、関節研究班でもご一緒でした。今もお世話になっていますね。埼玉協同病院は私どもから一番近い病院ですし、東川口病院は規模は大きくありませんが、外傷などをお願いする機会が多いです。
 川口市は近隣も含めて、規模が大きく、内容もしっかりした病院が多いので、恵まれた医療環境にありますね。連携先の病院には頻繁に顔を出して、先生方と声を掛け合うようにしています。

◆ 経営理念をお教えください。
 地域密着ということに尽きます。どんな小さなことでも気軽に相談していただけるような雰囲気作りやクリニックへの敷居を低くすることを心がけています。整形外科ではありますが、内科や皮膚科の領域であっても、私が対応できる範囲でご相談に応じたいですね。一方で、リウマチも含めて、整形外科に関しては専門性を活かし、最新の医療を行っています。遠くの病院まで行かなくても、私どもで完結できることは完結させたいです。

◆ スタッフ教育はどのようにされていますか。
 時間的に難しくはありますが、月に1回、会議を開催し、皆で話し合う機会を持っています。接遇や危機管理、院内感染についての勉強会もしていますし、リハビリスタッフのみを対象にした、疾患についての勉強会も行っています。受付の接遇は特に大事ですし、スタッフ全体がサービスの質を向上させていくために、スタッフ教育を充実していくことも今後の目標です。

◆ 増患対策について、どのようなことをなされていますか。
 私どもはバスの通りからは少し中に入ったところにありますので、誘導のために、電柱広告を多めに出稿しています。でも、そろそろ認知されるようになってきましたので、電柱広告を減らしていき、ホームページをより充実させるようにシフトすることを検討中です。ホームページにブログをつけたり、また院内掲示も活発に行っていきたいですね。
 しかし、一番は口コミです。毎日の診療をきちんと行うことが口コミに繋がります。また、膝痛や腰痛などの教室を行って、患者さんへの教育活動もしていきたいです。
 病診連携も増患対策になりますね。近隣の病院の勤務医の先生方と顔が見える連携ができていれば、手術後の患者さんの管理などを任せていただけますし、ホームドクターとして逆紹介もしていただけます。結果として、病院かクリニックかという色分けがうまくできていきますから、医療資源の有効活用になると思います。


開業に向けてのアドバイス

 手術を避けたいとか、当直は嫌だとか、今の仕事に不満があるために、消去法的に開業するというのはうまくいきません。やはり、開業したいと思って開業しなければいけないのではないでしょうか。部分的ではなく、患者さん全体を診たいと思う気持ちが必要ですね。そのうえで、やりたいことがやれる開業が実現するのだと思います。


プライベートの過ごし方(開業後)

 テニスが趣味です。以前、少しやっていたこともあるのですが、開業する頃に運動をしなくてはいけないと痛感し、始めることにしました。自宅近くのテニスクラブに妻と一緒に通っています。


タイムスケジュール

タイムスケジュール

クリニック平面図

平面図

クリニック概要

しみず整形外科クリニック
  院長 清水 一郎
  住所 〒333-0861
埼玉県川口市柳崎5-3-17
  医療設備 レントゲン、電子カルテ、ウォーターベッド型マッサージ器、能動型自動間欠牽引装置、干渉電流型低周波治療器、低周波治療器、赤外線治療器、乾式ホットパック装置、湿式ホットパック装置など
  スタッフ 16人(院長、常勤看護師1人、非常勤看護師2人、常勤事務1人、非常勤事務4人、リハビリスタッフ7人)
  物件形態 戸建
  延べ床面積 約80坪
  敷地面積 約120坪
  開業資金 2億円
  外来患者/日の変遷 開業当初 30人 → 3カ月後 50人 → 6カ月後 100人 → 現在 170人
  URL http://shimizu-seikeigeka.com

2012.09.01 掲載 (C)LinkStaff

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