冨田実アイクリニック銀座
冨田 実 院長プロフィール
1972年に大阪府で生まれる。1998年に愛知医科大学を卒業後、関西医科大学附属滝井病院で眼科研修医となる。1999年に関西医科大学大学院に入学し、2年間、倉敷中央病院に出向する。2001年に関西医科大学病院眼科、再生医療移植センターに勤務する。2003年に関西医科大学大学院を修了する。2003年に米国ハーバード大学眼科にフェローとして留学する。2005年にハーバード大学スケペンス眼研究所で最優秀論文を受賞する。2005年に帰国し、150人の眼科専門医を有する日本最大級の眼科クリニックに入職する。2007年に同クリニック副院長に就任を経て、2008年に同クリニックのエグゼクティブメディカルディレクター(最高診療責任者)に就任する。2010年にアメリカ白内障屈折矯正学会(ASCRS)で最優秀ポスター賞を受賞する。2011年にアメリカ眼科学会でレーシック、老眼治療に関するインストラクターとなり、アメリカ白内障屈折矯正学会(ASCRS)で角膜手術、屈折矯正手術部門の最優秀賞を受賞する。 2012年に温州医科大学医学部眼科の客員教授に就任する。2012年 アメリカ白内障屈折矯正学会(ASCRS)でグランドプイラズ(全部門最優秀賞受賞) を受賞する。2012年に欧州白内障屈折矯正学会で最優秀ポスターを受賞する。 2013年にアメリカ眼科学会でベストポスターを受賞する。 2013年にアメリカ眼科学会、国際屈折矯正学会役員理事に就任する。 2014年に東京都中央区に冨田実アイクリニック銀座を開設する。
日本眼科学会専門医、国際屈折矯正学会役員理事、国際眼科学会役員理事、米国眼科学会役員理事など。日本眼科手術学会、日本眼内レンズ屈折矯正学会、日本角膜学会、日本コンタクトレンズ学会、米国眼内レンズ屈折矯正学会、欧州眼内レンズ屈折矯正学会にも所属する。
◆ 主な受賞経歴
2005年:ハーバード大学スケペンス眼科研究所
「最優秀論文章受賞」
2010年:アメリカ白内障屈折矯正学会(ASCRS)
「最優秀ポスター賞受賞」
2011年:アメリカ白内障屈折矯正学会(ASCRS)
「角膜手術・屈折矯正部門最優秀賞 ベストアワード受賞」
2012年:アメリカ白内障屈折矯正学会(ASCRS)
「全部門最優秀賞 グランドプライズ受賞」
2012年:ヨーロッパ白内障屈折矯正学会(ESCRS)
「最優秀ポスター賞受賞」
2013年:アメリカ白内障屈折矯正学会(ASCRS)
「最優秀ポスター賞受賞」
2014年:アメリカ眼科学会(AAO)
「会長賞 プレジデンシャルアワード受賞」
東京都中央区銀座は東京の都心部に位置していることもあり、明治以来、日本でも有数の繁華街である。特に中央通りと晴海通りが交わる銀座4丁目交差点は地価の高さで知られている。文化施設も豊富で、1900年代から1920年代にかけて、歌舞伎座や東京宝塚劇場など、銀座、有楽町近辺には多くの劇場や映画館が開設され、今も賑わいを見せている。
冨田実アイクリニック銀座は晴海通り沿いの歌舞伎座の隣に2014年に開設したクリニックである。最寄り駅は東京メトロ日比谷線、都営地下鉄浅草線の東銀座駅で、駅から徒歩1分の好立地となっている。
今月は冨田実アイクリニック銀座の冨田実院長にお話を伺った。
開業に至るまで
◆ 医師を目指された経緯をお聞かせください。
私が医師を志したのは、子どもの頃に身体が弱く、よく病院のお世話になっていたからです。私も病気を治して、人の役に立ちたいと思ったことがきっかけですね。
◆ 専攻を眼科に決められたのはいつですか。
眼科医を目指した理由は、眼は人間にとってとても大切な臓器ですから、その眼の健康を守りたい、病気を治したいと思ったからです。また、自分で病気の診断から手術までができる診療科目であったことが眼科を選んだ最大の理由です。
開業の契機・理由
◆ 開業の動機をお聞かせください。
前職で勤めていた大規模なクリニックでは主にマネージメントと手術を担当していました。診療責任者になってからは難しい症例のほとんどを担当していたため、自分が手術を担当した患者さんのケアが思うようにできませんでした。大規模なクリニックは1日で多くの患者さんを手術することはできますが、手術前の診察、手術、手術後のケアが分業制で、患者さんとの関わりがとても希薄になっていくことに疑問を抱くようになりました。
もちろん、多くの執刀経験を積めたことで身に付けられた知識や技術は、私にとって大きな財産となりましたが、「患者さんとさらに親身になって向き合いたい」と考えるようになりました。せっかく身に付けたスキルを活かして、一般的な眼科診療から老眼治療やレーザー白内障手術、円錐角膜治療など患者さんのための幅広い眼科診療を手がけたいという思いが強くなっていったことが自分で開業しようと決心した理由です。
◆ 開業地はどのように探されたのですか。
クリニックを開業する場所として銀座を選んだのは、もともと「開業するなら銀座で」と思っていたからです。銀座は眼科を開業するには難しい街であることは聞いていましたが、やはり世界に通用する日本を代表する街で開業したいと考えました。もちろん、決めるまでには多くの物件を見に行きましたが、当初からの思いを実現しようと決心しました。
◆ 開業地の第一印象はいかがでしたか。
開業地を決めるまでは銀座以外にも多くの物件を見に行きました。受付カウンターの位置、診察室の大きさ、手術室の大きさ、待合ロビー、検査スペースなどを想像しながら何件もの物件を見て回ったことを思い出します。今のクリニックに決めたのはビルも綺麗でしたし、何よりも立地条件が非常に良かったのが決め手となりました。全くなにもないフロアを見たときは広く感じましたが、壁や間仕切りができると、「意外と狭いな」と感じたのは正直なところです。
◆ 開業にあたって、マーケティングはなさいましたか。
銀座以外にも多くの物件を見に行きました。その中で銀座に決めた理由としては、眼科自体が少ないということと、眼科で手術をしている施設が少なかったことがあります。この点は、インターネットで調べもしましたし、業者さんからの情報などを参考にしました。あとは、近隣施設の手術の価格帯なども調べましたね。
◆ 開業までに、ご苦労された点はどんなことですか。
開業するまではスタッフの募集やクリニックのレイアウト作成が大変でした。どういった職種を何人募集するかを決めて、何十人も面接しました。また、クリニックのレイアウトはとても頭を悩ませました。何もないときは広く見えても、実際に検査機器やレーザー機器を配置してみると、うまく配置できずに、何度も試行錯誤を繰り返しました。
半年くらい前からタイムスケジュールを考え、クリニックの内装工事は開院の2カ月前から取り掛かりましたが、ギリギリまでかかりました。半月ほど前にはお取引先やお世話になった方々へ向けて開業のお知らせを郵送し、1週間前からはスタッフも含めて全体の流れや業務の確認を行いました。また、開院の前々日には近隣にお住まいの方に向けた内覧会を行い、最終的な準備を終えることができました。開院日が近づくにつれて、忘れていることがないか、心配になっていたことを思い出します。開院後はお祝いの挨拶にお越しいただく方への対応が忙しかったですが、業務的には細かな点をスタッフと確認すること、ミーティングの実施などが中心でした。
◆ 医師会には入りましたか。
東京都中央区の医師会に入会しました。
◆ 開業当初はどのようなスタッフ構成でしたか。
医師は院長の私だけで、検査スタッフ2人、受付スタッフ2人、看護師2人の計7人でスタートしました。
◆ 医療設備については、いかがでしょうか。
開業する前からある程度は導入する治療を決めていましたので、それに必要な検査機器とレーザー機器を揃えるように考えていきました。できる限り、最新機器を導入したいと思っていましたが、予算もありましたので、考えることが多かったのは事実です。開業後に追加した機器も多いですが、今は満足いく医療設備を整えられたと思っています。
◆ 設計や内装のこだわりについて、お聞かせください。
設計で一番こだわったのは手術室ですね。レーザー白内障手術、屈折矯正手術、円錐角膜治療、レーザー治療など、様々な手術と治療を行いたいと考えていたので、レーザー機器のレイアウトや導線などを考慮しながら手術室には時間をかけました。
内装に関しては、銀座という土地柄もあるので、清潔感と高級感を出しながらも地域の方々に親しんでもらえるような内装にしたいと考えていました。内装の本なども参考にして検討し、私の好きな色であるオレンジと白を基調とした内装に決めました。検査機器やレーザー機器が並ぶと冷たい印象になるかと思いましたが、温かみのある雰囲気に仕上がったと思います。
クリニックについて
◆ 診療内容をお聞かせください。
当院では、一般の眼科保険診療から、レーザー白内障手術、レーシック、フェイキック、老眼治療、円錐角膜治療、飛蚊症レーザー治療など、最先端の眼科治療を行っています。特にレーザー白内障治療には力を入れており、眼内レンズも単焦点レンズだけではなく、マルチフォーカルレンズ、トリフォーカルレンズなど10種類以上の多焦点レンズを導入しています。これも、患者さんの眼の状態や生活スタイル、ご予算などを考慮して希望に沿った治療を提供したいという思いからです。
◆ どういった方針のもとで、診療なさっているのですか。
常に患者さんの目線で対応することを心がけています。以前に勤務していた大手のクリニックでは、手術前の診察、手術、手術後の定期検診が全て分業制となっていたため、患者さんから見れば毎回違う医師が担当するという状況でした。特に手術室に入るまで執刀医の名前すら分からないという状況をずっと疑問に感じていました。また、手術後の定期検診も毎回違う医師が担当するため、患者さんにとっては来院するたびに見解が違うといった不満の声も聞かれました。そういった診療体制に疑問を持っていたため、一貫した診療を行っていきたいという思いから、開業後は手術前の診察、手術、手術後のケアまで責任を持って診療しています。
◆ 患者さんの層はいかがですか。
銀座という土地柄もあって、近隣にお住まいの方々を中心にサラリーマンやOLさんに多くご利用いただいています。また、白内障手術やレーシックなどの屈折矯正手術、老眼治療などの最新治療については関東近県からのご来院が多いですね。日本ではまだ普及しきれていない円錐角膜の治療はごく限られた施設でしか行われていないため、北海道から沖縄県まで日本全国からご来院いただいています。年齢的には子どもの来院は少なく、30代から60代くらいの方が多いです。
◆ どのような内容の検査を行っていらっしゃいますか。
近隣では聖路加国際病院と連携していますが、大学病院を中心に患者さんをご紹介することもあります。
◆ 経営理念をお教えください。
患者さんにできる限り、最新の医療を提供していきたいと考えています。そのためには海外の眼科学会に積極的に参加して、常にグローバルな視野を持つことを意識しています。また、眼のことなら何でも相談いただける、信頼されるクリニックを目指しています。
◆ スタッフ教育はどのようにされていますか。
クリニックのスタッフには、患者さんに適切な対応ができるように、知識、技術、接遇面の向上を図っています。治療の知識に関しては、自発的に勉強してもらえるように、定期的にテストを行っています。各セクションでのミーティングやスタッフ全員での勉強会、外部の講習会などへの参加など、専門的な知識の向上に取り組んでいます。また、銀座という土地柄に対応できるよう、接遇面にも力を入れています。言葉遣いや礼儀作法など、患者さんに気持ちよくご来院いただけるように指導しています。
開業に向けてのアドバイス
勤務医と違って、開業すると医療行為だけではなく、資金、人材、設備、業者対応、増患対策など、全て自分の責任で行うことになります。もちろん、従業員たちの協力なしでは成り立ちませんが、最終的な判断は自分がしなければなりません。そういった診療以外の部分でも責任が求められますので、勤務医とは責任の量が違いますね。また、開業を専門とした外部のアドバイザーを利用する方もいるとは思いますが、マニュアルに沿った対応になる部分もありますので、資金繰り、立地条件、設備、人材、増患対策など重要な部分は自分で確認することが大切です。
また、クリニックの内装工事は開院の2カ月前から取り掛かりましたが、求人やWEBサイトやパンフレットの作成、書類の準備、公的機関への申請、内覧会の準備など、細かい部分は後からスケジュールに追加していく感じでしたので、残り2カ月を切ったあたりから、開業日に間に合うかが心配になりました。最初のうちは余裕がありますが、後半になると細かい部分が次々に加わっていきますので、最初から思いつくことはタイムスケジュールに入れ込んだ方がいいですね。
プライベートの過ごし方(開業後)
開業後は、患者様に来院いただくためには何をすればいいのかを日々考えていました。もちろん、すぐに多くの来院があるとは思いませんでしたが、1日に数名の来院しかない状況だと多少の不安がありました。そのため、趣味というよりは仕事のことを考えることに時間を費やしていました。
タイムスケジュール
クリニック平面図
冨田実アイクリニック銀座 | ||
院長 | 冨田 実 | |
住所 | 〒104-0061 東京都中央区銀座4-12-19 日章興産ビル4F |
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医療設備 | フェムトセカンドレーザー、エキシマレーザー、飛蚊症レーザー、YAGレーザー、三次元画像解析(OCT)、角膜形状解析装置、ハンフリー視野計、視力台、オートレフ、ノンコン、スペキュラー、レンズスター、コントラスト、蛍光眼底造影装置、白内障手術装置(センチュリオン)、白内障手術装置(インフィニティ)、手術ガイダンスシステム(ヴェリオン)、細隙灯顕微鏡、手術顕微鏡(ルメラ)、ウェーブフロントアナライザー、クロスリンキングシステム | |
スタッフ | 17人(院長、看護師4人、検査員6人、受付6人) | |
物件形態 | ビル診 | |
延べ面積 | 36坪 | |
敷地面積 | 36坪 | |
外来患者/日の変遷 | 開業当初7人→現在17人 | |
URL | http://www.tomita-ginza.com/ |