クリニックの窓教えて、開業医のホント

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― FPC和歌山クリニック  ―
和歌山県和歌山市
 
 

JR紀勢本線紀三井寺駅から徒歩10分ほどの場所にあるFPC和歌山クリニック。 和歌山市内とはいえ、温雅な雰囲気が漂う地に真っ白な建物が映える。ハンガリー人の設計士によるデザインは非常に印象的だ。院内に入ると、野鳥のさえずりが聞こえてくる。
「これは特別に作ってもらった音源なんです。私自身が入院したときに、音楽を聞いて痛みが軽減したという経験から、癒しの効果のために取り入れています。」
津田院長は勤務医時代に診療所へ所長として派遣されたという経歴がある。そのときに、「ひとりで何ができるのか」という開業にあたってのシミュレーションをすることができたと語る。この地に開業したのは平成7年6月。
「ここは家内の出身地なんですよ。開業するときは腹腔鏡手術や硬膜外麻酔による無痛分娩など自分の得意なことを生かせる医療をしたかったのです。それから、患者さんの話をじっくり聞くということ。ひとり15分から30分はかけていますね。初診のときに、なぜここを受診したのかと尋ねますと、よそでは説明が足りないとか、医師への不信感があったからという答えが返ってくることが多くて。カウンセリングは非常に重要だと考えています。いわば、よろず相談所ですね。大学病院時代から外来の患者さんへの診察時間が長いと有名だったんですよ(笑)。話し足りなくて失敗したということはないですね。」

 



それで、一日当たりの平均外来患者数は40人が限界だということになるが、必要だと認識した場合には手術も月平均10件と積極的に行なっている。また、不妊治療についても基礎体温を計るのは全くナンセンスであると、従来の医療に異を唱える。
「不妊は性生活に原因があることもあります。そこまで踏み込んで、子どもが自然に授かるという力を引き出したい。」
分娩室を拝見すると、大型のプロジェクターが目に飛び込む。
「これはボディソニック連動のプロジェクター式双方向対話ビデオシアター分娩室といいます。安全と快適さを追求した今のところ恐らく世界でも唯一のシステムだと思いますよ。
患者さんはいい意味でびっくりされますね。」

 

 


妊婦の運動不足やストレス解消を目的に25メートルのプールも設けている。。
「開業にあたっては、まずプールを、ということを考えていました(笑)。妊婦や赤ちゃんのスイミングクラスだけでなく、出産後の体重が気になるお母さんのためのクラスも開講しています。本当はプールにもプロジェクターを設置したいのですが、水を使う場所なので制約が多くて。その水にもこだわりがあります。生体エネルギー研究所で開発された特殊な装置を通して、健康によい情報水という水ですが、私は<命の水>と呼んで、院内全てで使っています。」
産婦人科というと、妊娠・出産のときだけ診察を受けるというイメージもあるが、女性の人生全般にかかわっていきたいという意欲が感じられる。「笑顔が素敵な女性の特別講座」も好評を博している。

 

「いわゆる更年期対策ということで始めました。長生きするというより、その質の問題であるという考えも広まっていますし、よりよく生きるための方向付けをしてさしあげられればと思っています。アンチエイジングも盛んに言われていますが、ホルモンバランスは美顔にも重要な要素です。さきほどの水を使った化粧水など、化粧品の開発のアドバイスもしています。サプリメントなど身体にいいことはこれからも取り入れていきたいですね。腸内洗浄にも興味があります。」
これまで、長時間拘束されることから、小さな子どもがいたり、外で働く女性には敬遠されがちだった人間ドックだが、津田院長はわずか2時間というシステムを実現した。今後「レディース人間ドック」として力を入れていく。
「院名のFPCとは、Family Plan Consultantの略です。家族計画は健康であればこそ、の観点を大事に、患者さんの満足や利益につながる医療を提供していきたいと思っています。」

(終わり)
 


2003.11.1掲載 (C)LinkStaff


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