クリニックの窓教えて、開業医のホント

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        「地域性を重視した開業スタイル」

丹生クリニック

 


丹生クリニックはロータリー内にあるという抜群のロケーション

 以前勤務していた病院の所在地にちなみ、つけられたニックネームが「トトロの先生」。その名の通り、穏やかで親しみ深い風貌を持つ丹生徹先生(44)。その「トトロの先生」が院長を務める丹生クリニックは、JR青梅線河辺駅南口徒歩0分という最高のロケーションを持つ。まだのどかな雰囲気を残している都下の駅前で、どのような開業をしたのだろうか。

 
 
  ■開業前後 


帝京大学卒業後、20年近くを外科一筋ですごしてきた。もっとも、医学部時代は外科と内科のどちらを専攻するか迷ったという。結局、外科を専門としたが、それについては「外科を十分にこなせたら、内科は少し後からでも勉強できると思いました。もし将来開業するならば、やはり内科のほうがよいかなと迷いはしましたが」とのこと。しかし、外科を専門にすると決めたならば、40才までは迷うことなくそれ一筋と決意していたという。
その40才を超えたとき、縁あって日の出ヶ丘病院で内科医長として勤務することになった。この病院で診療にあたりながら、老人医療を含めた地域医療における内科の重要性を改めて感じたという。漠然と考えていた開業が、より身近に感じられるようになったのはこのときだ。
そこで開業の準備を始めようと、診療を通して内科のスキルを磨きながら、リンクスタッフ主催の開業戦略セミナーにも出席すること数回。先生の姿を何度も目にしていたという開業担当者から声をかけられたのが、2002年のことであった。



院長 丹生先生



>開業担当者の視点


この開業の最大の特徴は、マンションのオーナーがクリニックの内装費を負担したことだろう。そもそも老人向けマンションということで、オーナーは階下に内科診療所を誘致していた。担当者はこれに注目し、内装費の負担についてオーナーと交渉を行ったのである。また、先生は院外処方を希望していたが、クリニック近隣には薬局が見当たらないので、隣に薬局を誘致した。
なお、クリニックとマンション経営自体に何ら関係はない。そこで今後起きるであろうトラブルを見越して、様々な取り決めを交わしている。そこで、担当者が今回の開業を振り返ってのコメントは、「内装費の交渉など、開業をお手伝いするにあたって、こちらが色々と勉強になる開業でした」

  


クリニックの入る老人向けマンション。

 広々とした待合室の受付カウンター前には、内覧会の時に贈られた胡蝶蘭がまだ良く咲いている。このように周囲から多大な祝福を受けて開業した先生だが、先進医療から離れることに不安を覚えたという。

「開業すると、一時的ではあるかと思いますが、最新の医療について勉強する時間が足りなくなります。クリニックではそれを実践する機会が少ないかもしれません。それでも医療事情に疎いのはだめだと思います。また、勤務医時代と違って、自分の診療が患者に適しているのかどうかを知る指標もありません」

 
 幸い出身医局と良好な関係が続いており、局が主催する勉強会などには、できるだけ参加するようにしているという。もちろん、開業して充実感を覚えているのは言うまでもない。

「病院では、医者1人につき患者さんは70人ぐらいの感覚がありますが、患者さん1人からすれば、医者は1人しかいません。クリニックでは、1人の患者さんと向き合うことができますね」


広々とした待合室
 
 
 ■クリニックの内容


ベージュが基調となっている落ち着きある診察室

 東京都下ということで、地域とのつながりは無視できない。開院してから約2ヶ月で、外来患者数は20名から30名弱。それほど多くはないが、患者さんの年齢層は子どもから大人までとやはり幅広い。
近隣の病医院との連携も見逃せない。当クリニックは内科・外科のほか、先生の内視鏡のスキルを活かして胃腸科も標榜している。残念ながら内視鏡はまだ導入していないが、週に1日、提携している病院の外来専門クリニックで内視鏡を利用している。また、クリニックでは思いもよらないような重症患者が来ることもある。救急車では間に合わないと思い、応急処置を施してから、車で病院に運んだこともあるという。

 患者さんを見守るスタッフは、看護師である夫人を含めて3名。なお、夫人はケアマネージャーの資格も持っている。そこで、この資格を活かしたクリニックの展開を構想中だ。

「将来、クリニックに介護ステーションを併設して、多角的に地域医療に貢献したいと思っています」



院長夫妻と他2名のスタッフ
 
 
 ■開業に向けてのアドバイス

「やはり、出身医局や勤めていた病院と円満な関係を持ち続けることをおすすめします。それと、クリニック近隣の医療機関も同じ。病診連携等における患者さんの紹介や逆紹介は、先生同士での信頼関係があるからこそできます。そのためにも、自分を周囲の医療機関の先生方に知っていただくことが必要ですね」

 
 
クリニック平面図
 

 
★先生タイムスケジュール★
開業前
 
開業後
            
            
丹生クリニック
院長 丹生 徹 先生
住所 東京都青梅市河辺町5-13-5
医療設備

X線

標榜科目 内科・外科・胃腸科
延べ床面積 25坪
物件形態 ビル診
スタッフ数 3人
開業資金 設備:2500万 
HP 作成中

 

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TEL:03-3401-8907(リンク医療総合研究所まで) 
FAX:03-3401-8884
e-mail:ke@linkstaff.co.jp
URL:http://www.linksouken.jp/



(終わり)
 


2004.4.1掲載 (C)LinkStaff


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