一般外来だけでなく、内視鏡検査や健康診断の予約も順調に増えているクリニックだが、問題点はないのだろうか?
「現在はCTスキャンがありませんので、CT検査が必要な患者さんは他院に紹介している状況です。また人間ドックの件数が昨年20件位なので、もっと増やしていきたいと考えています。そこで将来的にはクリニックを移転、拡大して、CTスキャンを導入し、診療を外来・内視鏡・検診の3部門に分けて、国分寺周辺地域の中心となるクリニックにしたいと思っています。そのときは私ひとりでは対応しきれないので、ドクターの増員も図るつもりです」
経営面においては、「まず開業に際して、開業資金が1500万円、運転資金が1000万円、リース料が1000万円位かかりました。ちなみにこのビルは坪単価7500円ですが、今後、保険診療は点数が下がる可能性が強く、保険診療のみでは経営が成り立たないかもしれません。また自由診療を受けたい患者さんの要望にはできる限り応えたいと思います。そこで内視鏡的手術などの最先端医療を行いながら、サプリメントや自然食品を服用することで病院に通院しなくても快復したいと思う患者さんのために、自由診療の部分にも力を入れるつもりです。予防医療の充実や代替医療の幅を広げていきたいですね」という。
自由診療を行っているクリニックとして、混合診療についてどのようにお考えだろうか?
「混合診療については、例えば認可されていない抗ガン剤を使う場合でいうと、初診料などは保険診療で、抗ガン剤の薬だけは自由診療でやるべきだと思います。現在のフコイダン療法も、採血、超音波検査、触診などの部分は保険診療でやるべきで、フコイダンだけを自由診療で行えれば良いと考えています。フコイダンについては、大学医学部の研究施設や厚生労働省がお金をかけて研究を行い、治療効果をきちんとしたデータとして解明して欲しいですね。また私自身もフコイダンの研究に参加できればと思います」
今年6月、開業丸5年を迎える渡邉院長に今後の展望について伺ってみた。
「現在は午前と午後の診療で60名位の来院がありますが、もし100名を越えると今の体制では無理ですね。国分寺駅北口から徒歩圏内で、ある程度大きな道路に面しており、CTを導入できる40坪位のビルがあれば、いつでも引越す心の準備はできています。最初から大規模なクリニックを作るとリスクが大きいですから、まずは小さなクリニックで開業して、患者さんがついたら、ステップアップを図るつもりでした。またホスピスケアの必要な方や肺炎などの患者さんにとっては、入院できる有床クリニックにするのが理想でしょうが、経営面で厳しいと思うので引き続き無床のクリニックで考えています」