○充実の「ひとり病診連携」
地元のおじいちゃん、おばあちゃん、地域の方々一人一人の信頼に応えていく医療を目指したいですね。そのためには必要とあらばいつでも入院でき、いつでも退院して在宅医療に変えられる患者さん主体の姿勢が必要です。そこで私は現在の『ひとり病診連携』のスタイルを取っているんです。
従来の入院のために紹介する場合は、入院するにしろ退院するにしろ医者同士互いにいろいろと遠慮が入ってしまうものですが、連携病院で主治医でやっていれば患者さんも自分のことを知っている医師にいつものように診てもらえ、患者さん一人一人の特性にあった治療・療養スタイルが選べ、仮に肺炎で入院しCRPが完全に陰性化しなくとも退院してひきつづいて在宅で治療を続けたり、高齢者で入院によりせん妄状態ができればすぐに在宅に戻して治療を続けるようにしており、結果として入院期間が短くでき、入院による廃用症候群を妨げるので非常に効果的です。困ったらすぐに電話一本で他の医師にお願いできるので患者さんも安心です。もちろんすべてを自分一人で出来るわけではありません。当院での病診連携としては、1ヵ月平均として入院治療を受ける患者さんが20~25人でそのうち連携の三田尻病院に入院する人が80%、地域の中核病院にお願いする人が20%です。
三田尻病院に入院する人の80%は主治医として治療を進めますが他は他科の先生にお願いしております。入院以外では1ヵ月平均40~50人の他科紹介、検査をお願いしておりますが、そのうち50%は三田尻病院でのCT、MRI検査、他科受診を当院からの電話予約で行っており40%が診々連携で他科専門医に、10%を中核病院にお願いしておりいずれも待ち時間のないように考慮させております。
○循環器専門医のかかりつけ医
中司院長は循環器専門医として冠動脈インターベンション、心不全を中心にこれまで約6500例の心臓カテーテル検査ならびに血管内治療を実施してきた。現在も連携病院の三田尻病院で年間100例の心臓カテーテル検査、約50例の冠動脈インターベーションを行っており時には急性心筋梗塞例の緊急冠動脈形成術を行うこともあり循環器領域での最新の治療や情報を提供できるように専門学会・研究会のみならず幅広い領域での研鑽を積まれている。入院患者を診て治療するためには最新のガイドライン、治療のための情報を得ることが不可欠であり、必要に迫られて得られた知識が結果的にその他の患者さんのセカンドオピニオンへの相談の助けになり、かぜのついでにちょっと聞いてみようとか家族のことで相談したいという患者さんに、今どんな治療をこの近くではどこで受けられるかアドバイスでき喜ばれている。
○今後の展開
今後さらなる総合診療・検診の充実、在宅医療の拡大や充実を図るために、現在、消化器内科の医師を募集しています。女性外来(中高年女性の悩み相談)のために、できれば女性医師を希望しています。それに伴って設備拡張を行い、先端医療機器などの導入も予定しています。また在宅患者さんの栄養管理、在宅リハビリの充実のための人員補充をして継ぎ目のない病診連携医療を考えています。 |