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オルソケラトロジーで近視大国を変える
おぐり眼科クリニック
小栗 章弘 院長  滋賀県長浜市の長浜ジャスコの駐車場の一角で開業したおぐり眼科クリニックを紹介する。小栗章弘院長は勤務医時代の2001年からオルソケラトロジー治療を始め、日本でのパイオニアの一人である。2004年に開業後も、オルソケラトロジー治療のみならず、眼瞼下垂、老眼手術など、多くの手術で遠方からの患者さんを迎えてきた。小栗院長は「日本のような近視大国では眼科医が安全な近視治療に力を注ぐべきだ。日本の名誉のためにも海外の漫画に描かれるような首からカメラを提げ、必ず眼鏡をかけているというイメージを払拭したい。」と明快に話す。
小栗 章弘 院長プロフィール

1967年に岐阜市で生まれる。1991年に岐阜大学医学部を卒業後、岐阜大学医学部附属病院、清水厚生病院、医療法人白鳳会鷲見病院に勤務する。1999年に渡米し、オレゴン州ポートランドのDevers Eye Institute,Discoveries in Sightで研究を行う。帰国後、2001年に滋賀県彦根市の医療法人厚生会城東眼科院長に就任し、2001年8月からオルソケラトロジー治療を導入する。2004年に滋賀県長浜市におぐり眼科クリニックを開業する。 日本眼科学会認定眼科専門医。
■ 開業前後
 「高校生の頃まで社会のことを何も知らなかったんです。進路についてきちんと考えさせないのは日本の教育の問題だと思うのですが、高校3年生の時、理系コースを何となく選びました。しかし気が変わって法学部に行けば何とかなる気がして受験し、失敗してしまいました。」と小栗院長は話す。結果として進学した岐阜大学医学部では、眼科を北澤克明教授が牽引し、小栗院長も眼科へと専攻を決定する。
 「北澤教授は緑内障の権威で、世界で通用している方でした。そういう教授のもとで勉強したいと強く思い、医局の関連病院で臨床の研鑽を積みながら、教授のご高配で米国のポートランドにも留学させて頂き、研究にも打ち込む日々でした。」

 そんな折、留学中の小栗院長のもとに、お父様ががんを患っているという知らせが入る。そこで小栗院長は一時帰国し手術に立ち会うも既にがんが全身に転移していた。留学を中断しお父様の最期となる日々を一緒に過ごそうと、医局を離れる決意をする。生活費だけをアルバイトで稼ぎながら、民間療法などの治療まで積極的に行ったが、残念ながらお父様は永遠の旅路につかれた。
 その頃のアルバイト先の一つに滋賀県彦根市の城東眼科があった。2001年、経営者に見込まれ、その院長に就任する。小栗院長の技術で診療報酬も向上を見せた。これまで大きな病院でばかり勤務してきた小栗院長にとって、コンタクトレンズ主体の地域医療は新鮮な驚きと発見が多かった。
 「コンタクトレンズのトラブルも多さに愕然としました。特にディスポーザブルのソフトレンズでの障害や近視進行増加しているように思われました。学校の健診で視力低下を指摘され、多くの子どもが来院されていました。日本は近視大国だと実感しましたよ。近視は眼科医の中では疾患として重要視されないアウトロー的存在でしたが、地域医療では身近な疾患として近視対策の重要性を認識できました。」

 城東眼科への就職後、間もなくして小栗院長はオルソケラトロジー治療を始める。この治療に興味を持った全国の眼科医と勉強会も行い、日本での治療の普及にも力を注いだ。
 オルソケラトロジー治療に対する医療的立場と経営的立場の違いから城東眼科の経営者陣と方向性が合わなくなり、開業を検討するようになった。
 城東眼科でオルソケラトロジー患者さんの継続治療を受け入れないという方針が出されたため、これまでの数百人に及ぶ治療患者さんの受け入れ場所を近隣に確保する必要に迫られました。「そういった事情ですから、彦根市の近辺を自分の足で探しまわりましたよ。そして、長浜市の現在の場所を見つけ、半年で開業にこぎつけました。」

 開業地は滋賀県長浜市のジャスコ長浜店の駐車場の一角に建てられたテナントの中である。JRだと彦根駅から長浜駅までは新快速で20分ほどで、ほぼ中間地に新幹線停車の米原駅もある。開業地は長浜駅からは車で10分と若干離れているが、車でアクセスされる患者さんにとっては北陸自動車道の長浜インターチェンジからすぐの立地であり、ジャスコの豊富な駐車場を使えることから、歓迎されているようだ。
 「車の方にはいいのですが、電車で来られる方にはご不便をおかけしています。この前も大阪から電車で来られた患者さんが駅から1時間歩かれたとお聞きしました。場所選びに関しては時間もなかったので、申し訳なさも感じています。」

 城東眼科はいわゆるビル診で、エレベーターに車椅子で入られる患者さんの不便さを知っていたため、おぐり眼科クリニックでは車椅子や高齢者の方が負担にならないように、動線を考えた設計にしたという。クリニックの前の専用駐車場から院内の全てのエリアに段差なく、移動できる。そして受付のカウンターも、子どもや車椅子の方のために低いカウンターとした。キッズコーナーを設けた待合室も広く、おぐり眼科クリニックのイメージカラーであるピンクと水色が使われた快適な空間となっている。
 「県外から来ていただいていたオルソケラトロジー患者さんが多く、なれない滋賀県での通院先を変わることになるので、説明や対応に一番苦労しましたね。また城東眼科やその関連眼科とも軋轢を起こさないよう、患者さんをスムーズに受け入れていく体制を作っていくことも大変でした。」

 一方、労務管理や会計といったことは社労士や公認会計士の事務所にアウトソーシングの形を取ったために、現在も負担ではないという。
 「今でも収益については詳しいことを知らないんです(笑)。大雑把な把握だけですね。」
■ クリニックの内容
(1)オルソケラトロジー

 オルソケラトロジーとは、オルソケラトロジーレンズを使用して、その特殊な内面のカーブによって角膜の形状を変え、角膜の屈折力が変化することで近視を治療し、裸眼視力の改善につなげるものだ。近視の屈折度が-4D(裸眼視力0.1程度)までの近視に良い適応とされているが、それ以上の近視であっても時間はかかるが治療可能だという。特に成長期の子どもの近視進行の抑制には有効である。
 初診の際に検査後、治療用のレンズを貸し出す。このレンズは通常のハードコンタクトレンズの使用方法とほぼ同じであるが、昼間に裸眼で生活することが目的なので、主に寝ている間に装着することが大きな違いである。1週間後に患者さんが裸眼視力に満足したら、治療開始となる。1か月後に治療効果を確認し、予備レンズのオーダーを完了したら、その後半年程、定期診察で経過を見ていくという流れになっている。
 「私どもでのデータでは子どもの近視の進行抑制効果が確認されています。近視が進行しやすいのは10歳から平均4年ほどの期間で、統計学的に有意に近視が進行しないという結果を国際近視学会で報告させていただきました。」

 安全性についてでも、おぐり眼科クリニックでの経験では通常のコンタクトレンズ使用者の方が大きなトラブルを起こすことが多いと言う。オルソケラトロジーレンズは酸素透過性が非常に高い素材を使用し、この素材はアメリカのFDAがコンタクトレンズとして7日間の昼夜連続装用を認可したものである。厚生労働省は日本ではまだオルソケラトロジーレンズを医療用具として認可していないため自由診療となっているが、アメリカでの40年にわたる歴史から、ハードコンタクトレンズと同じ程度の危険性しかないと考えられるため、角膜を削るレーシックなどに比較すると安全性は高い。
 またオルソケラトロジーはやり直しが可能な治療である点も看過できないところだ。適応さえ適切に検討できれば効果は得られる得られるが、医師の技量による治療効果の差はレーザー手術以上に大きなものになるという。
 「当初は20代から40代の患者さんばかりだったのですが、今は8割が未成年の方ですね。成人の患者さんの予約が大変な状況です。これまで日本の眼科は高齢者の白内障手術などがメインで、子どもにあまり重きを置いていなかったところがあります。子どもは人類の大切な財産なのですから、例えば近視で悩む必要を無くして、世の中に貢献できるよう頑張ってほしいですね。そして日本人が世界で活躍するときに、眼鏡をかけているという否定的なイメージが足を引っ張らないように、お役に立ちたいと思っています。」

(2)眼瞼下垂

 おぐり眼科クリニックで手術症例数が最も多いのが眼瞼下垂である。週に13、4眼、月に50眼ほどの症例数を誇る。眼瞼下垂はコンタクトレンズで起こる場合も多く、ドライアイ、生理不順、肩こり、身体の冷えや倦怠感といった症状を伴うため、年齢に関係なく、20代の患者さんも多い。アンチエイジングとしての効果的治療法の一つであり、目がぱっちりすることによる美容上の精神的満足度が高い治療でもある。
 小栗院長は両眼同時手術でも手術時間30分程度というオリジナルな方法を考案し、患者さんの満足度を向上させてきた。
 「参考文献なども調べて、1年ぐらい試行錯誤して、現在の方法に落ち着きました。まだまだ手術方法を進化させたいと考えていますが、数字やデータで表せない自分の感覚などの経験も大事ですね。」

(3)老眼手術

 老眼手術もアンチエイジングの一分野として、おぐり眼科クリニックでは力を入れている。小栗院長は日本では行われていなかった時代に既に注目し、イギリスの学会で講習を受け、日本で3番目の早さで認定を取得した。始めて2年経つところであるが、現在100眼ほどの実績があり、この近辺では唯一の医療施設となっている。名古屋、京都、大阪からの来院患者さんがほとんどだという。
 「昨年、神戸に住む50歳の男性患者さんがいらっしゃいました。パソコンを駆使する仕事だそうで、老眼が進行していました。追加手術を弱め弱めに行いとても満足されてパソコン業務が楽になったと喜ばれました。老眼そのものを抑えることはできませんが、レーシックのように角膜を薄くするわけではありませんので、高い安全性があります。今のところ一時的な軽い不快感以外に、永続するようなトラブルは幸い起こっておりません。」
 治療後すぐに近くが見えるため、その場で治療効果に驚く患者さんもいるそうである。「手術後、会計のときに『お札がはっきり見える』と感動される患者さんもいます。しかし、その後のフォローも重要で私どもでは安定するために数か月かけて診療しています。」

(4)ドライアイ

 ドライアイは幅広い年齢で認められる疾患である。主にソフトコンタクトレンズの使用や精神的なストレスが原因になっているという。またレーシックの手術後にドライアイが悪化する患者さんも少なくはない。老眼手術にしろ、オルソケラトロジーにしろ、ドライアイがあると治療効果や患者さんの満足度に大きな影響が出るため、まずはドライアイの処置が必要になる。
 従来の涙点プラグでは角膜に傷をつけたり、炎症や感染症の問題があったため、小栗院長はトラブルが少ない涙点プラグを考案し、特許を取得している。これは上瞼及び下瞼の内側に位置する涙点にはめ込んで、涙液の流出を止めるために用いられ、各涙小管の内部で涙液の流出を止める一対の栓体と、一対の栓体を連結する連結部とより構成されている。従来のような鍔部がないので、使用時に違和感がなく、痛みも出ないことが特徴だ。
 「涙点プラグの症例数は非常に増加しており、患者さんが楽になる治療を今後もやっていきたいですね。この治療も積極的に行っている医療機関が少ないので、滋賀県内外、様々なところから患者さんが来てくださっています。ドライアイに興味のある眼科医が増えるといいのですが…。」

(5)白内障

 白内障の日帰り手術も積極的に取り組んでいる。今までの問題点として遠近の調節が難しいことが挙げられ、最近の方法として多焦点眼内レンズを自由診療で使用する方法があるが、小栗院長は「現状では従来の単焦点眼内レンズで手術を行って、追加でCK(老眼手術)を行う」のが望ましいと考えている。
 しかし、さらに一度の白内障手術で患者さんの満足度を高めようと試行錯誤を繰り返しているとのこと。「現在、白内障治療に関する新しい医療材料を特許再申請中です。ものづくりの大変さに直面していますよ。」
■ 運営・経営方針
(1)病診連携

 長浜市には長浜赤十字病院と市立長浜病院という2つの公的病院があり、それぞれの眼科も多くの症例数と質の高い医療を行っている。小栗院長は地域医療のあるべき形として開業医と中核病院の提携を模索中だ。現在、開放型病床を持つ病院は増えてきたが、残念ながら日本ではアメリカのようにうまく機能している例は少ないのが実情である。
 「クリニックが1軒ずつ手術室を持ち、稼働させるのは地域全体の対費用効果から見て非効率的です。設備投資を抑制し、ひいては医療費の抑制につなげることが今の時代に必要な取り組みなのではないでしょうか。麻酔科医が足りないと聞きますが、手術室の稼働率が増せば、仕事の内容や勤務条件面での魅力も出てくるでしょう。地域全体でのシステムを構築し、日本全体の医療経営の効率化を考えていきたいと思います。」

(2)スタッフ教育

 おぐり眼科クリニックにはパートを含めて、看護師4人、事務職員10人が在籍しているが、年に2回ほど作文の提出をさせるというユニークなスタッフ教育を実施している。佐作文のテーマもユニークで、「逆さにした日本地図を見てから何を思うか」、「プロポーズをした相手から月に10万円収入が増えないと結婚できないと言われたとしたら、あなたならどうするか?」などについて実際に一人一人に意見を求めたそうだ。作文の提出後に小栗院長と面談を行う。最初はまとまった文章が書けないスタッフも提出と面談を繰り返していくうちに、いろいろなテーマに対して徐々に自分の意見を書けるようになるそうだ。
 「物事を考えて論理的思考に基づく文章を書けないのは、普段何も考えなくても日本では生活できてしまうからだと思います。知らないことに直面しても物怖じせずに対処できるためには、普段からいろいろな視点から思考する癖をつけておく必要があると思います。医療機関の業務だけでなく、それぞれの人生についても大切なことで、考える姿勢を医療機関全体で作っていくことが患者さんに感謝される価値ある仕事につながると思います。今、日本全体に夢がないですよね。首相も夢を語りませんし。政治家も役人も財界も何のために仕事をするのかを考えていないからでしょう。高校の頃の私もそうでした(笑)。スタッフには自分の行動の目的を考えるように話をしますが、目的を持って業務を行えば患者さんへの対応が変わってくるはずです。医師も同様で、高い給料や楽な仕事を追求する前に自分の人生の目的を考えて仕事を選卓しなければ、後悔する人生につながらないかと思います。」

(3)増患対策

 おぐり眼科クリニックのホームページは極めて充実した内容であるが、高齢の患者さんも多いので、直接の来院動機にはつながっていないという。高齢の患者さんはほとんどが口コミによるものだ。看板も3か所ほど出していたが、現在は2か所になっている。
 「医師の医療技術だけではなくスタッフの質の高い対応、患者さんに本当に満足いただけることが増患対策で最も必要なことだと考えています。患者さんに対して、自分の家族と思って接することが大切だとよく話しています。皆、頑張ってくれていますよ。」

(4)今後の展開

 眼瞼下垂にしろ、白内障にしろ、ご予約が埋まって数か月待ちの状態になっています。今後、手術の枠を増やすためには外来をどなたかにお任せしないといけませんので、興味を持っていただける先生方の見学をお待ちしています。またオルソケラトロジーは業者主導では限界があります。友人のサイドビジネスとしてアメリカで会社を立ち上げ、レンズを半額で供給できる方法を考えているところです。これが軌道に乗れば、少ない経費で日本の医師も無理なく始めることが可能になります。医療器具も海外には日本に比べて遥かに安価で質も劣らないものがたくさんあります。ボーダーレスワールドですし、日本に閉じこもらずに、日本の患者さんや医療に貢献できそうなものは積極的に紹介したいと思います。今後も、日本のために微力ながら尽力していきたいです。
■ 開業に向けてのアドバイス
 何のためにこの世に生まれて、何のために開業するのか、そして患者さんのために、ひいては日本のためにその開業がどういう意味を持つのかをきちんと考えないと、患者さんには上辺だけの考えを見透かされてしまいます。結膜炎を診て、薬さえ出せば食べていけるだろうというところで留まるのはどこかで後悔することにならないでしょうか。今は3割負担だから日本国内で診察を受けている患者さんも5割を超える負担になったら、メディカルツーリズムでの考えが一般的になり海外で安く医療を受けに行くことが当たり前になってしまいますよ。手術だけでしたら莫大な症例数をこなしている、例えばインドのボリュームサージャンの方が日本人ドクターより腕は良いかもしれません。日本から逃げ出す日本人相手に海外で開業するのもいいのかもしれませんが、日本で開業を考えるのであれば何が目的なのかを考えて開業しないと、開業が自分の人生の可能性を無くして行くことになりかねないと思います。
■ 院長のプライベート
 常に新しいこと、面白いことがないかなと思っていて、海外の学会に年に3回は行っていますね。今年は5回になりそうです・・・少しは経営を考えないといけない時期かもしれません(笑)。日本の学会では教えてもらえないものが海外の学会にはあります。CKもオルソケラトロジーも日本の学会ではお目にかかりませんでしたからね。
 学問的なこと以外でも、たとえばドバイでタクシーに乗るたびに運転手さんに国籍を尋ねたのですが、一人一人違うんです。何故、ドバイに世界中から富と人が集まって反映しているかが分かります。日本の“鎖国”政策と全く反対のことをしているのです。中国や香港、シンガポールの元気の良さも今の日本と反対のことをしているからだということも実感されます。
 こうした例を肌で感じると、世界の中で日本が強くなるには、今の日本の政策の正反対のことをすれば日本は世界でぶっちぎりの一等賞国家になれるのに・・・などど夢見ています!?
先生タイムスケジュール
勤務医時代   現在
07:00 起床 06:30 起床
09:00 出勤、外来、手術など 09:00 出勤、外来、手術など
20:00 院内業務 14:00 昼食
24:00 帰宅 14:30 外来
02:00 就寝(当直は最高で月10日) 19:00 院内業務
    22:00 帰宅、勉強
    02:00 就寝
クリニック平面図
おぐり眼科クリニック
院長 小栗 章弘 氏
住所 〒526-0847 滋賀県長浜市山階町262-1
医療設備 診察室2室、手術室、白内障手術機械、老眼手術機械、その他
延べ面積 70坪
物件形態 テナント診
スタッフ数 院長、常勤医師2人、非常勤医師3人、看護師4人(パート含む)、事務スタッフ10人(パート含む)
開業資金 5000万円
HP http://www.oguriganka.com
(終わり)
2008.6.01.掲載 (C)LinkStaff

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