プロフィール
兵庫県立リハビリテーション中央病院
兵庫県神戸市に位置する「総合リハビリテーションセンター」。広大な敷地内に、兵庫県立リハビリテーション中央病院をはじめ、障害者スポーツ交流館、職業能力開発センター、福祉のまちづくり研究所、自立生活訓練センターなどの諸施設が併設され、高度で専門的なリハビリテーションサービスを一体化して提供しています。
兵庫県立リハビリテーション中央病院はその中核施設として、脳卒中、頭部外傷後の障害を持たれた方や肢体不自由な方など、子どもから大人まで、幅広く診療しています。他院で取り組んでいない医療やリハビリ領域先進的な医療へ取り組みも特徴です。
井口 哲弘 院長プロフィール
■ご経歴
昭和52年 3月 神戸大学医学部医学科 卒業
昭和58年 2月 米国テキサス大学医学部 研究員
平成03年 9月 兵庫県立加古川病院 整形外科
平成09年 9月 神戸労災病院 整形外科部長
平成17年 6月 兵庫県立総合リハビリテーションセンター中央病院 副院長
平成18年 4月 兵庫県立総合リハビリテーションセンター中央病院 院長
■整形外科を選ばれた経緯は?
私が卒業した頃は内科や外科の入局希望者が多く、優秀な人たちがそちらへ行くという状況でした(笑)。整形外科へ入った動機は、乳幼児期から老年期まで診療範囲が広く、全人間的に診れることが魅力だったからです。実際に1977年に神戸大学整形外科に入局したわけですが、ちょうど教授が変わった年でもあり、それまで数人だけであった入局者数が一挙に13人に膨れ上がり、この学年は違うと周りの先生方に見られるようになりました。
■若手時代の印象に残るエピソードはありますか?
当時医局内は関節疾患やリウマチなどを担当する慢性疾患と外傷、手の外科、脊椎などを担当する一般疾患の2つのグループに分かれており、よい意味での競争がありました。術前カンファレンスなどでは、質問が別のグループから矢のように飛んでくるので、それはもう、必死に勉強しましたよ。その後は先輩に三宮まで飲みにつれて行かれ、帰りはお金がないので、皆で騒ぎながら、1~2時間かけて歩いて病院まで帰ってきたことが懐かしく思い出されます。
入局後、7年目にアメリカ、ダラスのテキサス大学リウマチ科に留学の機会を得て、約2年半RA滑膜の免疫電子顕微鏡の仕事をさせてもらいました。この間、整形外科教室にもお世話になり、整形外科のカンファレンスや手術を見学したことも大きな勉強になりました。
病院の沿革
昭和44年10月1日 | 兵庫県政百年記念事業の一環として現在地に身体障害者の社会復帰を促進するためのリハビリテーションセンター及び附属中央病院が開設 (94床、内科、整形外科、精神科、外科、泌尿器科、理学診療科、放射線科、麻酔科) その後、訓練棟、検査棟、診療管理棟など逐次、整備充実が図られる |
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昭和45年11月 1日 | 190床に増床 以降、兵庫県におけるリハビリ医療の中核的病院として、高度で専門的なリハビリテーション医療を担当 |
平成 4年 2月29日 | 近年におけるリハビリ医療の需要の増大に対応するため300床に増床し、新病院が完成 |
平成 4年 4月 1日 | 兵庫県立総合リハビリテーションセンター・リハビリテーション中央病院として再発足 |
平成12年 7月 | 障害者施設等病棟開始 |
平成14年 7月 | 回復期リハビリテーション病棟開始 |
平成20年 4月 1日 | 小児科設置、肢体不自由児や小児睡眠障害児の病棟として30床増床し、330床となる |
平成21年 4月 1日 | 神経小児科設置 |
平成21年10月 1日 | 地域医療連携室を新設 |
平成23年 4月 1日 | 名称が兵庫県立リハビリテーション中央病院となる |
病院の歩み
■病院の設立についてお聞かせください。
兵庫県立総合リハビリテーションセンターは、総合的なリハビリテーションの実現と県内のリハビリテーション事業の推進を目的として設立され、現在は兵庫県社会福祉事業団が受託運営しています。中央病院はセンターの一施設として、医学的リハビリテーションを担っています。病院自体は昭和44年に94床で開院し、平成4年に現在の建物に新築の上300床に増床し、平成21年より小児病床を30床追加しました。病院の目的は、患者の立場に立ったチームアプローチによるリハ医療の提供、入院から在宅までの一貫したサービスの提供、安全で先導的なリハ医療の追及です。
■機能変遷で重視したことはどういったことでしょうか。
平成12年に介護保険制度と回復期病棟制度が新設され、急性期、回復期、維持期と、病院の機能・診療体制の方向性が出されました。これに伴い、脳卒中の患者さんは回復期病棟を中心に運営し、急性期病院よりできるだけ早く患者を受け入れ、より有効なリハを行えるようにしました。その結果として、脳卒中を対象とする回復期病棟(100床)、脊髄損傷や切断などを対象とする障害者病棟(50床)、重度の脳外傷後遺症、高次脳機能障害、神経難病のリハ、リウマチの治療などを担当する一般病床(50床)、そして関節や脊椎疾患など運動器障害を対象とする一般病床(50床)、小児リハ担当部門とこどもの睡眠と発達医療センター(30床)に大別されました。