プロフィール
富士市立中央病院(静岡県富士市)
富士山を望める静岡県富士市は静岡県では浜松市、静岡市に次ぐ人口を有する。工業の盛んな街で、中でも豊富な地下水を利用した製紙業で有名である。製紙業の企業数、工場数は日本一となっている。富士市内での紙・板紙類の総生産量は日本全体の生産量の1割あまりを占め、特にトイレットペーパーは全国比率で3割を超えるなど、生産量日本一を誇っている。
富士市立中央病院は一般病床504床、結核病床10床、感染症病床6床の520床を持ち、救急医療の維持、高度医療の提供、地域連携の推進を目標に掲げて、地域の基幹病院として発展を続けている。
今回は富士市立中央病院の柏木秀幸院長にお話を伺った。
柏木 秀幸(ひでゆき) 院長 プロフィール
大分県出身
- 1978年東京慈恵会医科大学を卒業
- 1982年東京慈恵会医科大学大学院を修了
東京慈恵会医科大学第二外科学教室医員を経て、富士市立中央病院外科医員となる。 - 1985年富士市立中央病院外科医長に就任
- 1991年東京慈恵会医科大学第二外科学教室講師に就任
- 1992年Manchester大学付属Hope病院外科にISDE Scholar-shipで留学
- 1993年東京慈恵会医科大学第二外科学に講師として帰任
- 1998年東京慈恵会医科大学外科学講座第二・助教授に就任
- 1999年東京慈恵会医科大学医学教育研究室を兼任
- 2001年東京慈恵会医科大学附属柏病院外科診療部長に就任
東京慈恵会医科大学附属柏病院副院長、手術部長に就任 - 2005年東京慈恵会医科大学附属病院消化器外科診療部長に就任
東京慈恵会医科大学教育センター副室長に就任 - 2008年東京慈恵会医科大学外科学講座(消化管外科)教授に就任
- 2012年富士市立中央病院に副院長として着任
東京慈恵会医科大学客員教授を兼任 - 2017年富士市立中央病院院長、富士市立看護専門学校校長に就任
食道の良性疾患(食道アカラシア、胃食道逆流症、食道裂孔ヘルニアなどの非がん疾患)のスペシャリストとして臨床に携わる。
評議員・代議員
日本食道学会、日本消化器外科学会、日本消化器病学会、日本内視鏡外科学会、日本外科系連合学会、日本腹部救急学会、日本潰瘍学会、日本消化器病学会東海支部会、日本消化器内視鏡学会関東地方会、日本消化管学会、日本肥満症治療学会など。
専門医・指導医
日本外科学会専門医・指導医、日本消化器外科学会専門医・指導医、日本消化器病学会専門医・指導医、日本消化器内視鏡学会専門医・指導医、Infection Control Doctor、日本内視鏡外科学会技術認定医、消化器がん外科治療認定医、日本食道学会食道科認定医、日本消化管学会胃腸専門医・指導医、日本腹部救急医学会腹部救急認定医・暫定教育医など。
病院の沿革
- 1949年3月
- 富士市本市場に町立富士中央病院として開設(診療科目5科・使用許可病床数99床)
- 1950年
- 耳鼻咽喉科開設(診療科目6科)
- 1954年
- 市制施行に伴い、名称を「市立富士中央病院」と改称
- 1955年
- 皮膚科開設(診療科目7科)
- 1962年
- 気管食道科、放射線科開設総合病院として認可(診療科目9科)
- 1966年
- 2市1町合併、新富士市が発足(使用許可病床数245床)
- 1976年
- 脳神経外科開設(診療科目10科)
- 1979年
- 整形外科開設(診療科目11科)
- 1984年
- 富士市高島町に新築移転(診療科目18科・使用許可病床数520床)
- 1986年
- 精神科開設(診療科目19科)
- 1991年
- 臨床研修指定病院の指定受託
- 1991年
- 新館完成(使用許可病床数536床)
- 1994年
- 3C病棟開設、使用許可病床数610床になる
- 1996年
- トータルオーダリングシステム運用開始
- 1996年
- 心臓血管外科開設(診療科目20科)
- 1998年
- 日本医療機能評価機構より認定を受ける(Ver2.0一般病院種別B)
- 1999年
- 第二種感染症指定医療機関の指定受託
- 2002年
- 第2次トータルオーダリングシステム運用開始
- 2003年
- 神経内科外来開設(診療科目21科)
- 2003年
- 歯科口腔外科新開設(診療科目22科・使用許可病床数596床)
- 2004年
- 日本医療機能評価機構の認定を更新する(Ver4.0一般500床以上)
- 2006年
- 2病棟(3C病棟、7B病棟)休止(稼働病床数485床)
- 2007年
- 7B病棟再開、2C病棟休止(稼働病床数484床)
- 2009年
- 電子カルテシステム導入
- 2009年
- 日本医療機能評価機構の認定を更新する(Ver5.0一般500床以上)
- 2009年
- 診断群分類包括評価(DPC)対象病院になる
- 2012年
- 2C病棟を外来棟に改修するため、56床を返還(使用許可病床数540床)
- 2012年
- 2C病棟再開(産婦人科外来、通院治療室及び女性専用の外来)
- 2013年
- 産婦人科、小児科及び3C病棟の改修により、20床を返還(使用許可病床数520床)
- 2013年
- 院外処方に移行する
- 2013年
- 日本医療機能評価機構の認定を更新する(3rdG:Ver1.0一般病院2)
- 2016年
- 地域がん診療病院の指定を受ける
- 2017年
- 地域医療支援病院の承認を受ける
「当院のスタートは戦後すぐの時期でした。富士市は旧富士市と旧吉原市が統合された街ですが、吉原市はもともと東海道の宿場町として、歴史的な名所があります。それに対して、富士市は製紙工業が興り、戦後に発達した街なんです。1949年3月に富士の町立病院がここから少し離れたところに開設され、その後、市立病院になりました。そして30年以上経った1984年8月にこの病院が建てられ、引っ越してきたのです。最初からの歴史を合わせると70年近くなりますが、これまで地元の病院として発展してきました。富士市の人口は約25万人ですが、その中で500床規模の病院は当院だけです。いくつかの総合病院が集まって連携する形ではなく、一つの500床規模の総合病院が地域医療を背負っていくためには大学からの医師派遣が必須でした。病院の設立当初から内科も外科も大学からの医師派遣があり、それが今日までずっと続いています。」