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「高度な医療で愛し愛される病院」
牧野記念病院
プロフィール
牧野記念病院
神奈川県横浜市緑区鴨居は鶴見川沿いに広がるエリアである。現在も活発な宅地開発が行われているため、人口が伸び続けており、JR横浜線の鴨居駅は快速停車駅に選ばれている。2007年には神奈川県内で最大規模の商業施設であるららぽーと横浜が開業し、駅前の商店街ともども賑わいを見せている。一方で、鴨居原市民の森など、自然豊かな環境も残っており、子育て環境としても申し分ない地域である。
牧野記念病院は戸田中央医科グループ傘下の病院として、鴨居駅から徒歩6分の鴨居2丁目に1980年に開設された病院である。一般病床183床を持ち、内訳は一般病床89床、障害者施設病床86床、地域包括ケア病床8床となっている。標榜科目は内科、消化器内科、呼吸器内科、循環器内科、心療内科、外科、消化器外科、呼吸器外科、心臓血管外科、整形外科、脳神経外科、形成外科、皮膚科、泌尿器科、小児科、麻酔科、放射線科、リハビリテーション科であり、10床の人工透析も完備している。
今回は牧野記念病院の大平孝之院長にお話を伺った。
大平 孝之 院長 プロフィール
1961年に北海道札幌市で生まれる。1988年に慶應義塾大学を卒業後、慶應義塾大学整形外科に入局し、慶應義塾大学病院で研修を行う。清水市立病院(現 静岡市立清水病院)、浦和市立病院(現 さいたま市立病院)、茨城県立こども病院、平塚市民病院、太田総合病院に勤務を経て、慶應義塾大学病院に勤務する。1996年に永寿総合病院に勤務する。1999年に牧野記念病院に整形外科部長として着任する。2004年に牧野記念病院副院長に就任する。2016年5月に牧野記念病院院長に就任する。
日本整形外科学会専門医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、障害者福祉法第15条指定医など。東邦大学医学部客員講師も務める。
病院の沿革
1980年1月に横浜市緑区鴨居に牧野記念病院が開設された。病院名は東京医科大学の牧野惟義名誉教授の名前を冠したものである。許可病床数は123床であった。院長には東京医科大学第三外科の医局員だった一宮博勝現名誉院長が就任した。一宮名誉院長と同級生の斉藤勝正前院長、消化器内科の派遣医師、福島県立医科大学からの小児科医師という体制でスタートしたという。
「当時、東京医科大学の助教授であった木村幸三郎先生が、戸田中央医科グループに対し、恩師である牧野先生を記念する病院を作ってほしいと依頼されたのです。牧野先生は学術的にも優れた先生であり、名誉ある、メモリアルな病院をということだったのでしょう。」
9月に救急病院の告示を受ける。
「当初は救急車が素通りすることもあり、スタッフは悔しい思いを抱えたそうです。そのうち、通院の患者さんからのご指定が増え、救急車が来るようになりました。開院当時も今も9時から19時までという診療時間で地域医療を支えています。当院は地域の中の『大きな開業医』という位置づけでしょうか。クリニックにかかるような喉やお腹の痛みも診ますし、外科や整形外科は手術もしますしね。」
1987年に院内保育施設を開設し、1988年に5床の人工透析を開始する。
「院内保育を始めたのはかなり早い時期ですね。ここで育った人が今、職員になっていますよ。2012年に病院の向かい側の場所に新規移転を行いました。24時間体制となっています。定員75人ですから、規模も大きく、広々としたスペースで、安心して子どもさんを預けていただけます。」
1992年に在宅訪問看護を始めた。1998年に東館を増築し、許可病床数は183床となる。このときMRIも導入した。1999年に人工透析を10床に増床し、訪問看護ステーションを開設する。大平院長が着任したのもこの年だった。
「MRIを導入し、手術室も新しくなったという売り文句を受けて、入職しました(笑)。外来、手術、病棟と忙しかったけれど、いい先輩方に恵まれ、楽しかったですね。一人常勤体制でしたが、不安よりも自分で新しいスタイルを作っていく魅力の方が大きかったです。まだ30代でしたし、何でもやりたい気持ちがありましたが、自分の守備範囲を決め、守備範囲を超えたものはご紹介することにしました。近隣に済生会神奈川県病院やけいゆう病院など、母校の関連病院があったのも良かったです。」
2005年3月には介護老人保健施設である牧野ケアセンター、10月には牧野訪問介護ステーションを開設する。
「地域の中で完結できる強みがありますね。病院と老健や訪問看護、訪問介護が連携を深めながら、地域包括ケアの完成を目指しています。」
2007年には牧野リハビリテーション病院の開設許可が下りた。2018年の完成予定となっている。
「本体の病院は急性期病院ですが、循環器科や産婦人科がありませんから、どうしても限界があります。しかし、二次救急の範囲で役割を果たしてきました。牧野リハビリテーション病院では回復期リハビリテーション病床や療養病床を開設し、本院との差別化を図る予定です。」
2009年に日本医療機能評価機構のver.5.0での認定を受け、2014年に更新している。2016年4月に病院の隣地に牧野レディースクリニックを開設した。
「病院の新しい特徴を出したいということで始めました。泌尿器科、乳腺外科、美容皮膚科、女性内科を標榜し、それぞれに女性医師を配属しています。ただ、レディースと謳うからには婦人科も必要ですから、女性の婦人科医師に来ていただき、内容を充実させていきたいですね。」