「医師として」メインタイトル

第2話
現役に見出した新しいやりがい

 四 求めていた医師像
病院選定
 そして迎えた療養型医療機関での面談。やはりここでも先生の印象はすこぶる良く、歓迎の意思を示され、先生が望まれるのであれば併設の老健の兼務も可能と新たな提案まで出されたほどでした。
 病院側は、とりわけ先生の緩和ケアにおける10年近いご経験を高く評価されました。先生は理事長との面談において「緩和ケアこそチーム医療です。看護師などのスタッフを大事にして良好な関係を構築すれば、医師の苦労は大幅に軽減されるのですよ」とご自身の豊富な経験談を語られたのです。
 この発言を受けて、理事長は「正に我々が求めていた医師像そのものだ!」と膝を打って喜ばれ、医療/介護療養病床の患者管理をメインに、是非とも入職していただきたいとの熱いオファーを贈られました。先生も緩和ケアだけでなく、かつての公衆衛生分野における経験を活かせる、医療安全・感染対策などの指導管理やコメディカルスタッフへの教育等にも携われるということに喜び、前向きなお気持ちを素直に示されました。誰の目にも相思相愛と映る関係です。
 病院側が提示された条件は、週4.5日勤務・年俸1,500万円・当直オンコール対応は無し、という申し分のないものでした。既に内定をいただいておりました、2つに介護老人保健施設のご担当者には、事情を説明しご辞退の旨を納得していただきました。
 五 現場こそが
病院選定
 翌日、先生はこの病院への入職をお約束くださいました。当初は老人内科という分野でお仕事を継続されるおつもりでしたが、これまでの経験を活かし、病院の持つべき医療機能向上に貢献し次代を担う医療人を育成するという、医師としての新しいやりがいをお選びになられたのです。
 医師とは年齢に関係なく、プロとしての職業意識や社会貢献意識が高い専門職なのだと、痛感した事例でした。勤務先の種別を問わず自らの存在意義を強く感じさせてくれる「現場」こそ、医師が求める職場なのかも知れません。今回の事例では、貴重な経験を積むことができました。

 先生のご健康とご活躍をお祈りすると同時に、医師の転職の新たな可能性をご教示いただいた先生に、深く感謝申し上げます。
 
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