「医師として」 - 意志の強さは何事にも勝る（前編）

求人を確認するＦ先生の眼光は鋭く、求人票からは見えにくい、常勤医師の出身大学や病院の雰囲気、検査機器等の質問をされ、私は先生の転職に対する意志の強さを感じました。
ご提案した求人の中で、Ｆ先生が一番注目されていた点は、利便性は勿論ですが、ＣＴによる読影ができる施設であるかどうかということでした。
私が「利便性は分かりましたが、ＣＴの読影についてはどのようなお考えなのでしょうか」と伺うと、「この転職は間違いなく最後の転職になると思う。 長く勤務できることは勿論、長く医療人として地域に貢献するためにも、脳梗塞という病気と付き合わないといけない。そのためには、適時脳の撮影が可能で、病状の悪化を早期に発見し、影響を最小限にしたい」とお答えになりました。
私はその時のことをよく覚えています。Ｆ先生の病状を知りながら、気が回らなかった自分を恥じました。
結果的に、ご提案した求人の７件中２件がＦ先生のご希望に当てはまっており、求人情報の詳細と病院へ面談の調整をすることを約束し、面談は終わりました。

そこからが、Ｆ先生との長い道のりの始まりだったのです。