医師としての責務は全うしなければいけない。
今回は医師としての強い信念を持ち続ける
67歳、老健の施設長の新たな転職の実話。
今回は医師としての強い信念を持ち続ける
67歳、老健の施設長の新たな転職の実話。
第6話
プライドとともに生きる
一 67歳、老健の施設長
今回紹介しますH先生と電話で初めてお話しした時の年齢は67歳。
登録されている経歴を見ると、6年前の勤務状況から内容が更新されておらず、近況を伺ったところ、ある介護老人保健施設で施設長をされているとのことでした。続けて、現在お勤めの施設の不満を一気に話し始めました。看護体制の不備や理事長との意見の相違など様々なお話しをしてくださいました。特に、施設の経営者が売上至上主義に走っているのが我慢できないとのこと。そのため、良い案件があったら検討したいので是非紹介してほしいとのことでした。
介護老人保健施設を希望される先生の特徴として、臨床の第一線から退き、ゆったり勤務を望まれている方が多いのですが、H先生はゆったり勤務どころか「老健の施設長はただ居るだけでなく、入所者のちょっとした変化も見逃さないように健康管理をする義務がある」「当然のことだが、医師としての責務は全うしなければいけない。最近はそういう考えが薄れてきているような気がする」という信念の持ち主でした。
条件としては、週5日勤務で年俸1,300万円、オンコール対応は可能だが、夜間呼び出しは避けたいというものでした。
後日面談の時間をいただき、お会いさせていただいた先生は、スーツ姿にネクタイをきっちりと締め、とても67歳とは思えず10歳以上は若く見えました。
面談で話した事は、既に電話でお聞きした内容が中心でしたが、医師とはかくあるべしという話を熱く語られ、医師としてきちんと職務を遂行したいという気持ちが非常に強く感じられました。話を聞くうちに、この先生ならば医療機関に自信を持って紹介できると確信を持ちました。
登録されている経歴を見ると、6年前の勤務状況から内容が更新されておらず、近況を伺ったところ、ある介護老人保健施設で施設長をされているとのことでした。続けて、現在お勤めの施設の不満を一気に話し始めました。看護体制の不備や理事長との意見の相違など様々なお話しをしてくださいました。特に、施設の経営者が売上至上主義に走っているのが我慢できないとのこと。そのため、良い案件があったら検討したいので是非紹介してほしいとのことでした。
介護老人保健施設を希望される先生の特徴として、臨床の第一線から退き、ゆったり勤務を望まれている方が多いのですが、H先生はゆったり勤務どころか「老健の施設長はただ居るだけでなく、入所者のちょっとした変化も見逃さないように健康管理をする義務がある」「当然のことだが、医師としての責務は全うしなければいけない。最近はそういう考えが薄れてきているような気がする」という信念の持ち主でした。
条件としては、週5日勤務で年俸1,300万円、オンコール対応は可能だが、夜間呼び出しは避けたいというものでした。
後日面談の時間をいただき、お会いさせていただいた先生は、スーツ姿にネクタイをきっちりと締め、とても67歳とは思えず10歳以上は若く見えました。
面談で話した事は、既に電話でお聞きした内容が中心でしたが、医師とはかくあるべしという話を熱く語られ、医師としてきちんと職務を遂行したいという気持ちが非常に強く感じられました。話を聞くうちに、この先生ならば医療機関に自信を持って紹介できると確信を持ちました。
二 半年後の転職に向けて
早速、先生のご自宅から近い施設の求人案件を当たりましたが、夏場だったせいかなかなか案件が見つかりませんでした。1ヶ月が経過した頃、ご自宅から40分くらいのところにある介護老人保健施設から、施設長が退職するので至急後任を探してほしいとの依頼が舞い込みました。条件は週4日勤務で年俸1,200万円、オンコールなし、看取りなし。看護体制もしっかりしている施設でしたので、これはH先生しかないと思い、早速施設に打診致しました。
これならすぐにでも決まるだろうと思い、心躍らせながらH先生に連絡を取りました。ところが、開口一番「申し訳ない。1週間前に理事長から依頼されて、来春まで勤務する約束をしてしまった」と予想外の返答。
H先生にピッタリの案件と意気込んでいたためかなり意気消沈しましたが、翌年春には間違いなく現在の施設からは離れるということでしたので、気持ちを切り替えて来春に向けての求人案件を当たり始めました。
その後季節は初秋になり、医療機関から徐々に来春に向けての求人案件が入り始めてきました。
ある日のこと、H先生のご自宅から程近い介護老人保健施設の事務長に求人状況の確認をしたところ、「ちょうど昨日、施設長から来年3月で退職したいという届けがあったので、4月以降の施設長を探してほしい。」と願ってもない話をいただきました。
条件面もご希望にかなう内容でしたので、早速先生にご紹介したところ非常に興味を持たれ、施設との面接・見学日程を組むこととなりました。
これならすぐにでも決まるだろうと思い、心躍らせながらH先生に連絡を取りました。ところが、開口一番「申し訳ない。1週間前に理事長から依頼されて、来春まで勤務する約束をしてしまった」と予想外の返答。
H先生にピッタリの案件と意気込んでいたためかなり意気消沈しましたが、翌年春には間違いなく現在の施設からは離れるということでしたので、気持ちを切り替えて来春に向けての求人案件を当たり始めました。
その後季節は初秋になり、医療機関から徐々に来春に向けての求人案件が入り始めてきました。
ある日のこと、H先生のご自宅から程近い介護老人保健施設の事務長に求人状況の確認をしたところ、「ちょうど昨日、施設長から来年3月で退職したいという届けがあったので、4月以降の施設長を探してほしい。」と願ってもない話をいただきました。
条件面もご希望にかなう内容でしたので、早速先生にご紹介したところ非常に興味を持たれ、施設との面接・見学日程を組むこととなりました。
三 『何かピンとこない』
面接・見学の当日、まずは事務長の案内で施設の見学を行いました。H先生は、A4の紙にびっしりと質問事項が書かれたものを持参され、その内容を事務長やスタッフに質問され、ひとつひとつ確認しながら見学されていました。
見学後に面接を行いました。先方からは、理事長と併設病院の院長、事務長の3名が出席されました。面接は終始和やかで、理事長からも是非来てくださいとの話をいただきました。
帰りのバスの中で感想を伺うと、「もう少し考えてから返答するが、何かピンとくるものが無いんだよな。今まで色々な機関に行ったことがあるが、こんな感じになるのは初めての経験だ」とおっしゃいました。40年近いキャリアがある先生ですので、その経験から何かを感じ取ったのでしょう。そう言われてしまっては、私からは「先生の感じられたものは恐らく正しいと思いますので、感じられたままにご判断ください。」と申し上げることしか出来ませんでした。
2日後、H先生から届いた返答は、やはり「今回は辞退したい」というものでした。先方にお伝えしたところ、「理事長もH先生を大変気に入られていたので何とかならないか。」と懇願されました。H先生の意思は固いですとお伝えし、改めて辞退の申し出をさせていただきましたが、その後2回程、条件をアップするので何とか来てもらえないかというオファーも届きましたが、先生の意思が変わることはありませんでした。
見学後に面接を行いました。先方からは、理事長と併設病院の院長、事務長の3名が出席されました。面接は終始和やかで、理事長からも是非来てくださいとの話をいただきました。
帰りのバスの中で感想を伺うと、「もう少し考えてから返答するが、何かピンとくるものが無いんだよな。今まで色々な機関に行ったことがあるが、こんな感じになるのは初めての経験だ」とおっしゃいました。40年近いキャリアがある先生ですので、その経験から何かを感じ取ったのでしょう。そう言われてしまっては、私からは「先生の感じられたものは恐らく正しいと思いますので、感じられたままにご判断ください。」と申し上げることしか出来ませんでした。
2日後、H先生から届いた返答は、やはり「今回は辞退したい」というものでした。先方にお伝えしたところ、「理事長もH先生を大変気に入られていたので何とかならないか。」と懇願されました。H先生の意思は固いですとお伝えし、改めて辞退の申し出をさせていただきましたが、その後2回程、条件をアップするので何とか来てもらえないかというオファーも届きましたが、先生の意思が変わることはありませんでした。