第9話
医師として患者を支え、家族を支えるということ
(前編)
三 突然の事故 募る不安
定期非常勤で勤務している病院へ出勤するために最寄駅から徒歩で病院に歩いて向かわれていた時、70歳の高齢者が運転する軽乗用車が対向車を避けるために車を寄せてきた際に先生と接触し、足首を骨折してしまったのでした。
入職予定だった病院へも連絡を入れ、もらい事故では仕方がないとご理解頂けましたが、入職は流れてしまいました。
先生は治療に専念されていましたが、手術後3ヶ月間が過ぎても折れた骨が繋がらなかったためリハビリも開始できず、その後大きな病院に転院され2回の手術を経て、半年後にやっと杖なしでなんとか歩ける状況まで回復されました。
私が入院中にお見舞いに行った際は先生からお詫びの言葉を頂き、気丈に振舞ってはおられましたが、自身の今後の事や家族の事を思い、心の中では強く心配されていた事は感じ取れました。
先生には高校1年生の娘さんがおられ、大学を卒業するまであと7年はしっかり働きたいという前向きな気持ちと、家族を養っていかなくてはいけないが自身が職場復帰できるのかどうか不安に思う気持ちが同居しており、少し涙ぐまれることもありました。
入職予定だった病院へも連絡を入れ、もらい事故では仕方がないとご理解頂けましたが、入職は流れてしまいました。
先生は治療に専念されていましたが、手術後3ヶ月間が過ぎても折れた骨が繋がらなかったためリハビリも開始できず、その後大きな病院に転院され2回の手術を経て、半年後にやっと杖なしでなんとか歩ける状況まで回復されました。
私が入院中にお見舞いに行った際は先生からお詫びの言葉を頂き、気丈に振舞ってはおられましたが、自身の今後の事や家族の事を思い、心の中では強く心配されていた事は感じ取れました。
先生には高校1年生の娘さんがおられ、大学を卒業するまであと7年はしっかり働きたいという前向きな気持ちと、家族を養っていかなくてはいけないが自身が職場復帰できるのかどうか不安に思う気持ちが同居しており、少し涙ぐまれることもありました。