「医師として」メインタイトル
「医師として」最高齢となる90歳の医師。
介護の現場で今もひたむきに仕事をされている、
そんなドクターの転職秘話。
 

第十話
元気なうちは働きたい。90歳の決意
(前編)

 一 急募依頼の電話 後任の施設長を
急募依頼の電話 後任の施設長を
現在の日本の医療界において、現役最高齢医師といえば聖路加国際病院 理事長・名誉院長の日野原重明先生があまりにも有名です。非常に失礼ではございますが、ご高齢にも拘らず、常に前向きな医師としての活動や、数多くの執筆活動には頭が下がる思いでございます。
今回のお話は、日野原先生よりお若いですが、90歳で、現在、医師として急性期医療では無く、介護の現場で医師として日々お仕事に邁進されているA先生のエピソードです。
 二 迫る入職期限 候補は65歳内科医師
迫る入職期限 候補は65歳内科医師
お話は、大阪府下にある介護老人保健施設から弊社宛ての一本の電話から始まりました。
この施設では、現在の施設長をされている先生が50代ではありますが、また病院勤務に戻りたいとのご意向の為、一ヶ月前に退職を申し出られたとのことで、この後任医師の急募依頼のご連絡でございました。
急な話ではありましたが、他のメンバーとも相談の上、弊社に非常勤のお仕事依頼でご登録のあった65歳の内科医師を候補として面接設定することになりました。先生もこの介護老人保健施設が自宅から徒歩で通勤可能であり、また在宅強化型老健では無かったので、仕事も楽だろうという理由で面接の件は快諾していただきました。
面接当日、理事長、看護師長、総務部長が参加され、当初は順調にお話が進んでおりました。ところがこの先生の会話の端々に、介護老人保健施設の仕事に対する意欲が見られず、また、スタッフや入居老人に対する態度が非常に高飛車であったこともあり、ご縁が無かった結果になりました。
他の先生もなかなか見つからず、施設長の入職期限が2週間前になろうとしていた時に、以前にご登録をいただいていた、A先生のことがふと脳裏をよぎりました。
 
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