「医師として」メインタイトル
前回のあらすじ
入職前の1ヶ月前に交通事故に遭遇。
リハビリ後の再就職と転職先でのスタッフとの不和。
67歳医師のトラブル続きの転職活動とは。
 

第十三話
67歳からの起伏の激しい転職活動(後)

 五 次は療養型の病院に入職
次は療養型の病院に入職
次は療養型の病院で今までの経緯や歩行が少し不安定なところも理解して頂ける病院がなんとか見つかり、先生にも「もうここしかありませんよ」と言い聞かすようにして何とか入職に至りました。

1ヶ月が過ぎ病院からも連絡がないこともあり順調に勤務しているか状況確認で先生へ連絡を入れるとA先生より「いい病院を紹介してくれた、私にぴったりだと」お褒めのお言葉を頂戴しました。
私もその言葉を頂いたときの気持ちとしては、なんとか乗り越えたという安堵の気持ちになりました。
 六 骨折の再手術から再入院へ
骨折の再手術から再入院へ
その1ヶ月後に入職した病院の事務長より連絡が入りました。その番号は登録していましたので入職した病院の番号だとすぐにわかり、いやな予感がして的中しました。
内容としては、以前骨折した足首の骨の状態がわるく再度手術が必要で再入院になったという連絡でした。
今回は先生の体を気遣うより「またか」という落胆の気持ちの方が強かったのは正直なところです。

入職前に足首の状況は伝えていたとは言え、病院にはご迷惑をおかけしているところはありますので訪問しお詫びしました。
 七 再入院とリハビリで半年ほど
再入院とリハビリで半年ほど
A先生が入院している病院にもお見舞いにも行きましたが、さすがに先生も落ち込んでいて交通事故を起こした高齢の運転者に対していかりがぶり返している様子で何度もぼやいていました。
年齢と体の状態を考えると仕事への復帰は当分なさそうに感じました。

再入院はリハビリを含め半年ほどかかりました。
その間も何度か話をしているなかで職場へ復帰したいという話がありましたので病院担当者に確認を入れると、病院としても退院がいつになるかわからない状況では継続勤務は難しいということで既に後任の先生が入職されており、やむなく退職の手続きを行いましたが、さすがに落胆の気持ちは隠しきれない様子でした。
 八 転職活動に再チャレンジ
転職活動に再チャレンジ
そこで私は思いました。私の仕事は先生方の納得のいく転職のお手伝いをする仕事で、A先生が納得できていない状況では仕事半ばだという事だということです。
ここで先生に見切りをつけることは仕事を放棄している事と同じになりますので、A先生に「もう一回がんばりましょうか」と伝えると「なんとかしてくれるか」とお言葉を頂きました。

すぐに病院探しを始めましたが自宅近辺ではなく、遠方の病院まで視野に入れないと見つからない状況でした。
高齢で歩きも不安定、採用したとしてもあと何年勤務できるかと考えると採用が難しいという病院の考え方は理解できますが、患者さんに対して非常に穏やかで丁寧に診察される先生であることは誰よりも感じておりましたので、私はめげずに病院探しを続けました。

探せばあるもんです。
ある田舎の常勤が院長おひとりの小規模の病院で面接をして頂けるようになりました。
院長はA先生より2つ年下でしたが同年代ということもあり昔の話で盛り上がり、医療や仕事についての話があまりなかったようでしたが意気投合し入職に至りました。
 九 入職後は順調に勤務
入職後は順調に勤務
その後連絡を入れた際には順調にご勤務されており、院長から「患者さんからの評判も良く、いい先生を紹介してくれて有難う」とお言葉を頂戴したことで、私も仕事を成し遂げたことを実感しました。

A先生も60代に入ってからドタバタするようなおもいもよらない医師人生になったと思いますが、お元気で地域の患者さんに親しまれる先生をご紹介できたことは冥利に尽きます。

お体には十分ご自愛されながら、今後の更なるご活躍を心よりお祈り申し上げます。
 
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