「医師として」メインタイトル
前回のあらすじ
糖尿病からの現場復帰を目指す医師からの依頼。
奥様の意向と医師が目指す転職とは?
 

第十六話
私はまだやれるはず。。(後)

 五 面接の帰り際に思いがけない質問が…
面接の帰り際に思いがけない質問が…
面接の帰り際に医師から私に思いがけない質問が飛びました。
「週4日から5日で常勤として勤務できないのでしょうか?できれば介護老人保健施設ではなく、地域の子供達の健康を守ってやれる小児科の仕事がいいんです。私はまだ現役だと思っています。」このとき私は、この医師がまだまだバリバリ働くことを熱望していると確信しました。案の定、介護老人保健施設はお断りとなりました。
そのご意向を聞いて私は、開業していた頃の情熱を今もなお強く持っていらっしゃるんだ!と思いました。ただ奥様の心配を考えるとあまり負担の大きい勤務はご紹介できないとの思いも交錯し悩みました。結果、私は医師と奥様、両方に納得して頂けるお仕事を紹介しようと決心したのです。
 六 条件が思いのほか困難を極める…
条件が思いのほか困難を極める…
私が思う納得して頂ける勤務とは、週4~5日勤務。午前だけの小児科外来。通勤は電車で40分以内という条件でした。
ただ午前の外来のみの条件が思いのほか困難を極めました。しかしここまで来たら行くとこまで行こうと思い、その医師の住む県の全ての小児科の病院、クリニックに打診しました。
 七 通勤に関してすばらしいご提案を頂く
通勤に関してすばらしいご提案を頂く
探し始めて10日目に、ある病院からお話しを頂きました。「午前の外来のみですか。週5日勤務できるなら検討できますよ。」私はその場での喜びを一旦堪えて交渉に入りました。「ありがとうございます。週5日でドクターにご提案します。ただ通勤に関して駅からの行き帰りの距離がかなり出てしまうので、なんとか送迎だけでもしていただけないでしょうか?」先方は当初、やや難色を示しましたが、翌日に連絡があり、行きは患者さんが利用するバスに乗り、帰りは事務方でお送りするというすばらしいご提案を頂きました。
 八 満を持して先生と奥様にご紹介
満を持して先生と奥様にご紹介
満を持して先生と奥様にご紹介しました。奥様は初め、週5日勤務に不安を隠せずにいましたが、午前のみで送り迎えがあれば週5日でも体の負担は少ないかもしれませんね。とご納得のお言葉をいただき、先生も以前に情熱を燃やした小児科医として、復帰できるということで大変、喜んで頂きました。
仕事への情熱を持つのは医師だけではありませんが、地域の子供たちの健康を守るという使命を年齢を重ねても熱く持ち続ける姿は小柄な先生を一回りも二回りも大きく見せました。
 九 医師を敬い支持できる存在に!
医師を敬い支持できる存在に!
生涯現役! 私はこの医師を敬い支持できる存在でいたいと心に強く思いました。
 
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