「医師として」 - 82歳、2年越しの医師転職活動。(後)

かならず求人を探し出してT先生に満足のいく転職をしていただこうと意気込み求人の掘り起こし作業を開始しました。
 
まずは他社サイトを見て確認するも見覚えのある案件ばかり、施設名の記載がなくてもどこの施設の求人かわかる位になっており年齢で断られている所、再アプローチしても難しいのは分かりました。
 
次は老健施設のサイトで地域を選択するとすべての施設名が出てきて唖然、先生のご自宅からの通勤範囲は昔のベットタウンということもあり高齢者の人口が多いことで施設もかなりの件数があり1件ずつ連絡を入れるも間みあっているの繰り返し、そう易易とは見つかりませんでした。

そのことは先生には逐一報告は入れ、進捗がない報告が続きました。それでも先生は優しい声で「わかりました。よろしくお願いしますと」お言葉を返してくださいましたので励みなりました。
 
やはり自宅近辺では求人がなく探す地域も少しずつ遠方となって、いくら何でもここまで毎日の通勤は難しいという地域で確認を入れているとご自宅から15分くらいの施設より医師募集の連絡を頂きました。
 
施設の方も以前連絡を頂いていたので募集の連絡をさせて頂きましたという事で「渡りに船」でしたので当日に担当者とアポイントを取りました。

内容を確認すると現施設長が脳梗塞で倒れられ勤務できる医師がいない状況、明日からでも勤務できるがいないかと言う内容でT先生は勤務されておらず明日からでも勤務できる状況でしたので翌日面接してすぐに入職が決まりました。
 
訪問診療の面接や遠方の施設の面接を行って断れ続けた約2年の間、先生といろいろなことがありました。ある意味、遠方の施設で決まっていれば自宅に近いこの求人を見逃すことになっていたと考えると時間がかかって良かったとも考えることができます。

入職から3年が経ち85歳でお元気に勤務されており、入所されている方、ご家族からも人気者という連絡を頂いており、私も大変喜ばしく感じています。
 
今後も自分本位になるのではなく、人の気持ちに寄り添うことを心掛け仕事を行うことで、より多くの笑顔、喜びを提供できる仕事であることを再認識した案件でした。
  T先生、本当に有難うございました。
お体には十分ご自愛されながら、今後の更なるご活躍を心よりお祈り申し上げます。