東日本大震災を経験された先生の転職活動とは?
第三十七話
被災者への思い(後)
一、先生の方から問い合わせを頂く
なかなか良い求人をご提案できない中、気づくと先生の方から当社のサイトを見て、診療所を指定しての問い合わせを頂くようになりました。自分から提案できていないことに屈辱感を感じながらも、決定することが最優先と気を取り直し、先生が指定された医療機関を確認しました。
二、地震の被害が甚大なエリアを選ばれる
問い合わせをされた診療所は、いずれも宮城県沿岸部の診療所でした。地震による被害が県内では最も甚大だった地域と記憶しています。あえて私からエリアの選択の理由について質問しました。
「〇〇先生、これまで私からは、地震の被害が大きかったエリアはあえて避けて、安心して勤務頂けるエリアの求人をご紹介してきました。この度のお問合せは被害地のど真ん中とも言える場所の診療所です。問題ございませんでしょうか?」
先生からは、「私は特に気にしていませんよ。エリアについてはまあまあ…. また説明しますよ。」というお返事でしたので深くは聞かずに面接の段取りを進めました。
「〇〇先生、これまで私からは、地震の被害が大きかったエリアはあえて避けて、安心して勤務頂けるエリアの求人をご紹介してきました。この度のお問合せは被害地のど真ん中とも言える場所の診療所です。問題ございませんでしょうか?」
先生からは、「私は特に気にしていませんよ。エリアについてはまあまあ…. また説明しますよ。」というお返事でしたので深くは聞かずに面接の段取りを進めました。
三、面接時に先生は震災時の対応を問う
面接時に、診療所向けに先生から出た質問は「東日本大震災の時、診療所としてどのような対応をされましたか?」でした。診療所側は、被害地でありながら診療はできる限り継続して、その他積極的にボランティア活動に尽力しました。との返答でした。
四、入職の決め手は震災時の対応
後日、診療所からは採用の連絡がありましたが条件面は私が先生から聞いている希望とは乖離していました。しかし先生は即答で入職を決断されました。決め手は震災時の対応だったそうです。私は条件や危険を避けることばかりを考え、先生の被災地を助けたいという思いを全く察することができませんでした。