大学医局ではできないこと
2003年10月01日 コンサルタントE
A医師(32歳)は出身大学の附属病院に勤務する消化器内科医。現在の年収は900万円。大学が得意とする「肝臓・胆嚢・膵臓」の症例においては自信を持たれている。一方で内視鏡の分野(特に「下部」)においては症例が極端に少なかった。具体的な将来ビジョンは固まっていないが、開業するにしても勤務医を続けるにしても、「総合的な内科医」を目指すA医師にとって、このまま大学へ残ることに漠然とした不安、焦りがあった。
そんなA医師から相談を受け、苦手分野の克服ができるような総合病院を紹介する。この病院は医師の出身大学に全く拘っておらず、同じ消化器内科であっても得意分野の異なる医師が数多く在籍しているので、スキルの共有化を行っており、希望者には年齢に関係無く2年間のローテートを実施している。(A医師は「スーパーローテート」を経験していない。)「大学医局では不可能な研修環境」があることにA医師は強い関心を持たれた。また、A医師の得意な「胆・肝」の専門医師は病院にいなかったので、A医師の入職は病院にとっても弱点が克服できるメリットがあった。人柄にも高い評価を受け、希望年収額を大きく超える1500万円の条件にて入職が実現し、双方とも満足のいく結果となった。
その後、この転職の影響で、A医師の出身大学の医師から問い合わせが相次ぎ、大学医局に不満を抱える医師が多いことを再認識することとなった。今後もこのような医師のニーズに応え続けていきたいと思う。
完