ドクター転職ショートストーリー

地元に帰る際には

2004年02月02日 コンサルタントS

 責任ある立場に立つ医師にも転職の機会は訪れるもの。40才代半ばの整形外科医。医局から派遣された病院では部長を務めており、年収は1400万円。各種骨接合術や関節鏡視下手術、人工関節置換術(膝・股)等の技術を持っている。そんな折、地元に残してきた親が要介護となった。しかし、診療のみならず役職から生じる業務に多忙を極めており、地元と勤務地を行き来して介護することは不可能であった。また、病院で行う手術の症例が減ったために、スキル維持とその更なる向上に不安も出てきた。そのため、地元に戻る決意を固めたという。
 幸い、先生の実家から車で30分程度の所に、中規模ながらも地元で高い評価を受けている病院があった。そこでこの病院を先生に紹介したところ、その医療に対する真摯な姿勢に共感したという。また、病院から先生への評価は、スキルと人間性、共に二重丸。さらに、転職の動機には含まれていなかった年収についても、1600万円の提示を受けることができた。

その上、増設中である整形外科の施設内の設計から、導入する機器の決定までをも任すという好条件も付加されたのである。
そのため、自らが理想としている医療を実現できる環境を手にすることができた。残る問題としては、現在属する医局からどのように離れるかである。しかし、それも「親の介護のため」と押し切って、円満に離れることができた。
 「地元へ帰ること」は転職する際の大きな動機の1つだろう。今回の様に医療機関と先生の双方が満足する紹介を、今後も行っていきたいと思う。

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