二足のわらじのスタート(上)
2005年03月01日 コンサルタントI
コンサルタントをやっていると、Dr.の「様々な」転職の理由に、驚いたり感心したりすることが多い。今回はそんな「転職動機」に端を発した話である。
今回担当したD先生は青森県在住の55歳。出身も青森で、関西の大学を卒業された後は血液内科医として医業をスタートされた。順調に大学内でのキャリアを積んだ後、地域医療に従事したいという先生自身の意思で大学を退局し、医師人生としての後半はプライマリケアを担う一般内科医として、南は九州から北は北海道まで、5つの病院を歴任されたDr.である。
さて、そんなD先生が転職を決意された理由は、「法科大学院に通うため」であった。
質の高い法律家の育成と司法試験合格者数のアップを期して整備され、今年から1期生が始まる法科大学院制度であるが、先生は昨年、受験をしたところ見事に合格した。この4月から「55歳の学生」として新たな生活を始めるための転職である。
先生はなぜ法科大学院を受験しようと決意されたのですか?という問いに対して、即答で「弁護士になりたいのです」という言葉が返ってきた。ゆくゆくは医療関係を専門とした弁護士として働きたい、という希望であった。並々ならぬ決意で臨まれ、そして大学院受験に合格したのが容易に理解できる熱い返事だった。