ドクター転職ショートストーリー

指導医の苦悩(上)

2005年09月15日 コンサルタントH

「とてもかわいらしい方だな」それが循環器内科医K先生の第一印象だった。ふんわりして輝くような素敵な笑顔の持ち主である。会話の受け答えも丁寧で、それでいて親しみやすい雰囲気があり、患者さん受けは良いに違いないと思われた。そんな先生の悩みはただ1つ、「15年のブランク」であった。
世の女医さんの前に立ちはだかる“結婚”“出産”の壁。
「仕事を取るか、プライベートをとるか」究極の選択である。弊社には女医さんならではの相談が多くよせられる。仕事を取るか、プライベートを取るか、それは人それぞれの価値観だが、私たちに出来ることは、幅広い働き方をご提案することである。
教育学部から医学部に入り直してまで手にした医師免許。お子さんを立派に育て上げ、再び「臨床をやりたい」と決心した先生に、何としても良い職場を紹介したかった。

臨床の“勘”を取り戻す為、弊社に問い合わせを頂く前から学校等での健診アルバイトは始めていた。
しかし、1人で勘を取り戻すには不安があり、年齢的(50代)・体力的にも当直のある常勤勤務は難しい。
クリニック勤務で疑問を感じたときにすぐにアドバイスをもらえる2診体制が、先生の求める職場環境であった。しかし、クリニックの求人ほとんどは院長先生の代診が多く、同じ科目を2診でやっているクリニックは意外に少なかった。まして先生の年齢でアドバイスが必要となるとなかなか話が前に進まなかった。
それでも諦めずに探すことが出来たのは、初めて面談した時の先生の笑顔が力となり、「面接まで持ち込めさえすれば、先生の素晴らしい人柄をアピール出来るはず」と確信を持っていたからだ。

次へ続く

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