理想(上)
2006年11月15日 コンサルタントM
N先生とお会いしたのは、春も近いというのにまだ肌寒さが残っていた日であった。緊急手術が入ったということで、1時間繰り下げての面談となった。
N先生は都内の私立大学を卒業され、消化器外科医として大学及び関連病院で勤務された後5年前都内の民間病院に就職された。年齢は43歳である。
その病院では責任あるポジションにつき、手術はもちろんのこと、外来、病棟、検査、当直、オンコールなどを精力的にこなしており、忙しい中でも充実された毎日を過ごされていた。当然のことながらそれに見合った収入を得ていた。
何が先生に転職を考えさせることになったのか。何に不満をもたれているのか。
先生自身が医師になった理由、そして現在の自分とのギャップを話してくれました。
「今の病院では自分の考えていることが出来ません。理想の実現に向けて、年齢的にも最後のチャンスだと思っています。収入面ではダウンもいといません。」 先生が提示した条件は「内科・外科の連携がしっかりとれている事」「学閥が無い事」そして「患者の視点にたって医療がなされている事」の3点であった。