ドクター転職ショートストーリー

最強チームでの転職(下)

2009年1月1日 コンサルタントA

 その後、採用の方向で話がトントン拍子で進んでいったが、実は、当初提示を受けていた基本年俸920万円に出来高払い、週5.5日勤務、当直週1回という条件だと先生方が希望される条件と懸け離れていたのである。先生方からは、他の病院も探そうか、家のローンもあるし、アルバイトをせざるを得ないのではとの声が上った。
 それでも、私と代表の先生は、必ず納得のいく良い条件で入職するという共通の目標を持っていた為、交渉を続けた。病院側は整形外科医を欲しくてたまらないはずである。なぜなら、この病院のキャパで整形外科医が一人しかいないというのは、どう考えても、断るには惜しい話だからである。
 度重なる交渉の結果、病院側からの提示は週4.0日勤務、3人で年俸5000万円、出来高は手術点数の23%を担当した先生に頭割りで支給、当直無し、学会出席は国内・海外でも可能など、満足のいく条件で合意に至った。勿論、特例としてではあるが・・・
 先生方は、納得の表情で契約書にサインをされた。
 病院の理事長、院長、事務部長にも、素晴らしい先生方が入職していただけることになったと、満面の笑顔で喜んで頂けた。

 入職後、病院に連絡を取り、ご勤務状況を確かめた。
 「先生方には入職前から準備を始めて頂き、本当に良いスタートが切れました。救急が重なった時も、テキパキと指示しながら治療を行なって頂いています。これだけ頑張って頂けるとは、想像以上でした。本当にありがとうございました。」
 このように、ご入職後僅かで、病院側から絶大な信用を得られたのであった。
 一方、先生方も、「もっと頑張らないといけない、これからが勝負だと思っている…」と、さらなる前向きな発言をされたのである。
 この言葉を聞いて私は、病院側にとって先生方は本当に救世主になって頂けたのだと確信した。
 病院の雰囲気も以前に増して活気が感じられ、正に病院の歴史を塗り替えようとしている。

 微力ながらも、病院及び先生方のお役に立てたことに、誇りを持ちたいと思っている。
 コンサルタントの仕事は、先生と先生のご家族、そして病院の将来をも担う重要な仕事であることを、今回の入職で私自身が身を持って実感した瞬間であった。

 さらに私には、今度は優秀な脳神経外科の先生をコンサルタントさせて頂く仕事が待っている。 必ずや、満足して頂ける就職先を探してみせようと、心に誓った。

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