ドクター転職ショートストーリー

現場優先(下)

2009年3月1日 コンサルタントI

 それからもう一度、「現場」の仕事を優先出来る医療機関を探し始めたが、思うように見つからなかった。
困り果てていた頃、R病院のK事務長より連絡があった。
「Hさん。来年の3月初旬に専門外来のクリニックを新規開設するのですが、クリニックでの常勤勤務を希望している先生はいませんか?」
「K事務長!!専門外来のクリニックでの仕事内容は、外来とその他は往診もあるのでしょうか?」
「そうです。午前診と午後診の外来診察の間に、近隣の老人ホームと寝たきりの患者様への往診があります」
 そして、他の条件等を確認し、電話が終わるやいなや、先生に連絡を入れると、先生は「往診は、今まで経験した事がないので・・・ちょっと考えてみます」と予想外の反応であった。

 その後、I先生から往診について具体的な患者数や疾病等の質問を頂き、その一つ一つをK事務長に確認を取り、I先生に丁寧に答えるというやり取りを行なった。徐々にクリニック勤務のイメージを持って頂けるようになり、「先方と会ってみます」と言って頂けた。
先生との電話を終えるとさっそく、K事務長へ連絡を入れた。そして、すぐに面接の日程が決まった。

 当日、I先生が気になっておられた往診に対する疑問が一つ一つ解消されていった。
 そして、先生は「私は、患者様の目線に立った医療を現場で一生続けたいと思っています。その為、現場優先できる環境へ勤務したい気持ちを持っています」とその信念を語られた。

 後日、K事務長よりI先生の入職に際して『ぜひ来ていただきたい』との連絡があった。
 条件提示も「週5日勤務、当直なし、老人ホームと寝たきり患者への往診、年俸2,300万円」と、思ってもいない好条件での提示であった。「現場優先」についてもI先生の熱意が伝わり、理解を得ていた。
 すぐにI先生に連絡を取り、病院からの意向と条件提示をお伝えすると、大変喜んでいただけた。

「年齢を重ねて常勤が難しくなったら、その時は非常勤として働き続けたい。もちろん現場優先でね。その時もHさんにお願いするから」

「こちらこそ!」

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