ドクター転職ショートストーリー

5番目のエージェントの役目(上)

2011年4月15日 コンサルタントA

年も差し迫ってきた12月中旬、T先生から弊社にエントリーがあった。即座に電話し、詳細の希望を伺うと、T先生は40代後半の一般内科の医師、現在週4.5日勤務当直無しで年俸が1,600万円。家庭の事情もあり、勤務環境を現職の急性期病院からもう少し緩やかにして働きたいという希望だった。年俸は出来れば下げたくないが、週4日勤務で1,550万円位からでも検討するとのこと。次週に面談の約束をし、T先生から一言「リンクさんの他に4社に登録しているから、5社目です。希望に合いそうな求人があったら是非紹介下さい」

私は、既に4社も登録して、未だ満足いく求人情報の提供を受けておられないのであればと思い、「必ずご満足頂ける求人をご紹介します」とお約束し、T先生とのやり取りが始まった。

次週の面談までにベストな医療機関の紹介が出来るよう、希望の詳細をメール・電話で確認。と同時にT先生の通勤可能エリアの医療機関に求人状況及びT先生の希望にマッチするかを伺い、より希望条件に近い病院へは直接足を運んだ。担当者や病院の雰囲気なども確認した結果、面談日までに絞りに絞った3件の求人を準備することができた。厳選した求人だったので、どれも自信を持って紹介できる求人であったが、それは他のエージェントも同じこと。絶対の自信と同時に少々の気がかりを抱えながら面談の日を迎えた。

面談当日。まずは、今回の転職活動の進捗状況をお伺いした。するとT先生は、「12月初旬に一度他のエージェント経由で面接まで済ませた病院があったのですが、契約書の締結を残すのみとなった段階で、突然エージェントより今回の件は白紙に戻して欲しいと連絡があり、話が無くなってしまいました」それ以降、そのエージェントからは新たな求人の紹介はなく、現状はもう1社のエージェントの紹介で、来週に1件面接を行うC病院があるとのことだった。やはり、他のエージェントからは満足いく求人が得られず弊社へご登録されたというような印象を言葉の端々から感じた。まずはT先生に3件の求人を一覧表にしてお見せしたところ、T先生の第一声は「いろんな病院があるね。3つともどこからも紹介されていませんよ」

思わず机の下で拳を握ってしまった瞬間だった。

その後、1件ずつ詳細な求人内容をご紹介し、その中で最も希望に近いケアミックス型のB病院に対しては、「是非面接を設定して下さい」との回答をもらった。面接の可能な次週の研究日はC病院の面接があるため、再来週の先生の研究日に面接を設定することにした。その日のうちにB病院へ連絡し、面接日の了解をもらい、即T先生へ連絡した。先生からも「当日は宜しくお願いします」との回答をもらい、面接を設定することができた。ところが3日後、T先生から面接日変更の連絡が入った。

次へ続く

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