ドクター転職ショートストーリー

迷い、そして笑顔へ(上)

2012年7月15日 コンサルタントT

今年の1月上旬、A先生が弊社に登録されてきた。
40代前半で、10年以上産婦人科をご担当されておられる男性の先生であった。
早速、A先生に連絡を入れ話を伺うと、奥様の実家がある九州北部に自宅を購入後、先輩に誘われ関西の産婦人科クリニックで副院長として単身赴任されていたが、勤めていたクリニックが閉院したため自宅に戻り現在就職活動中との事であった。

リンクスタッフに登録されるまで、ご自身でも就職活動をされていたが、なかなか思い通りの勤務先が見付からず、他の紹介会社にも依頼されている状況であった。

希望内容は、西日本エリアでクリニック勤務、年俸は2000万円以上、当直は週2回までのオンコール対応のみをご希望されていた。

A先生は5人家族であるが、今まで子どもが小さく、子育てが大変な時期に奥様一人に任せ切りで有った為、今後は家族の時間を大切にしたいと第一に考えられていた。
そこで、私は以前より求人を頂いていた取引きのある産婦人科Bクリニックを案内することにした。Bクリニックでは院長先生と副院長先生の他に、常勤医と非常勤医が1名ずつご勤務されていたが、常勤医が退職されるとの事で募集をされていた。また、Bクリニックがある場所は、周辺の住環境が良く、またA先生の奥様のご実家までのアクセスも便利で、なによりA先生の希望を十分に満たしていた。

早速Bクリニックに訪問し、A先生のご紹介とBクリニックの雰囲気や勤務内容、院長先生のお人柄、どの様な患者さんが来られるのか等も含め、A先生に正確にお伝えする為、クリニック内の見学をさせて頂き、時間を掛け情報を収集した。
私が感じた印象は、受付のスタッフ・看護師・事務長・先生方の連携が非常に良く、院長先生の温かいお人柄が、クリニック内に広がっている穏やかな空間に包まれているようだった。

帰社後、Bクリニックをご紹介する為、A先生に面談の約束を取り付けた。面談では、条件を再確認し、Bクリニックをご紹介し、院長先生が持っている目標や夢をしっかりとお伝えした所、「素晴らしい目標ですね。訪問して院長先生と直接お話することはできますか」とおっしゃって頂くことができた。

勤務条件はほぼ満たしていたが、年俸に関しては面接後に提示されるとの事だったので、Bクリニックの面接を受けて頂く事となった。

早速、Bクリニックを再度訪問し、面接の時間を取って頂ける事となった。

面接は終始穏やかな雰囲気で終わり、帰りに先生と喫茶店で面接の感想を伺った。
「イメージしていた通りのクリニックでした。院長先生と一緒に仕事をしてBクリニックの仲間になれると良いかなと思いますが、後は条件次第ですね」と話された後に、「実は、リンクスタッフさん以外の紹介会社から、関西方面のDクリニックで年俸2400万円の提示を受けました。今回ご案内して頂いたBクリニックと比較検討したいので、条件面が出揃ったらご連絡頂けますか」と話された。

帰社後、Bクリニックに、お礼も兼ねて面接の感想を伺う為連絡を入れた。「年齢的に若くて非常に期待が出来ますね。これからココで頑張って頂きたい。一緒にこのクリニックをもっと良くする為に、是非我々の仲間になって頂きたいとお伝え下さい」と話された。
また「他社から関西の医療機関から年俸2400万円をご提示されていらっしゃる」事を伝えると、少し戸惑っていらっしゃる様子で有ったが、「年俸の件は明日までにご連絡致します」と電話を後にした。

次の日、Bクリニックから連絡を頂いた。検討された結果、現在の副院長先生とのバランスと、Bクリニックは昇給制度を導入されていた為、スタート年俸は2000万円、当直2回(オンコール対応)で先生に来て頂きたいとの事だった。Dクリニックからの提示年俸より低かったが、A先生の当初のご希望通りの金額であった為、早速、A先生に報告の連絡を入れ検討して頂ける事になった。しかし、Dクリニックの経営者も大変お人柄がよく、Bクリニックと同様、素晴らしいクリニックとの事だった。

次へ続く

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