勤務医への復帰(上)
2013年01月15日 コンサルタントN
今年の8月、整形外科のM先生より登録が有り、早速電話で連絡を入れお話を伺うと、半年後に自宅から通勤できる範囲で、常勤医を探している医療機関を紹介してほしいという内容であった。半年後だとあまり時間が限られている為、翌週での面談を取り付けた。
面談当日、M先生に詳しい内容をお伺いすると、現在M先生は、開業医のお父様が高齢ということもあり、自宅から片道2時間かけて、ご実家の手伝いをされていた。M先生には、内科医のご兄弟がいらっしゃり、本来であれば跡を継がれる予定のところ、公的病院で勉強する間は、M先生がお父様のサポートをすることとなっていた。そしてようやく、ご兄弟が実家に戻ってこられる事になり、半年後を目途に常勤先を探すことになった。ご実家で勤務される前は、急性期病院で手術や外来も含め多忙な業務をこなされていたが、ここ5年間、手術はほとんどされておらず、外来のみをされていた為、整形外科医として手術メインの業務にはかなりの不安を持たれていた。
しかしM先生は、患者様から手術をお願いされた場合、ブランクを埋める為にも、責任もって期待に応え、小規模な手術だけでも自分自身で行いたいと手術設備が整った医療機関への転職を希望されていた。M先生の希望年俸は1,300万円、また、これまで勤務してきた非常勤先を、今後も継続したいとの事で、週1日の研究日を希望されていた。
面談終了後、早速M先生の自宅近郊から順に、医療機関へ求人確認の連絡を入れたが、M先生の希望に近い求人は見つからなかった。範囲を広げてM先生に提案しようと思っていた時に、H病院より整形外科医の求人を頂いた。H病院は200床ほどのケアミックス型で、弊社とは以前からお取引のある病院ではあったが、初めて整形外科の求人を頂いた。
募集の経緯を確認すると、H病院の整形外科は常勤のA先生が、一人で熟されていて、今後もずっと1人でやりたいと会議の時に話され、H病院もすべてA先生に任せている状況だった。しかし求人を頂いた1週間前にA先生が体調を崩され、休職される事になったのだった。そこでH病院としては、もう1人整形外科医を増やし、A先生の負担を減らそうという背景があった。
勤務内容が非常にM先生の希望とマッチしていた事もあり、すぐにM先生へ連絡を取り、H病院を紹介した。すると偶然にも、M先生はH病院を知っておられ、またA先生のこともご存じだったようで、「昔から手術がお上手な先生がいるという評判を聞いており、実家の手伝いをする前にA先生の下で勤務がしたいとH病院には希望を出した事がありました。まさか、このような形でA先生の下で勤務できる機会を頂けるとは、夢にも思っていませんでした。ぜひ面接をお願いできませんか」と、とても前向きなお返事を頂けた。
早速H病院へ連絡し、M先生の希望をお伝えすると、「是非面接の段取りを進めて頂きたい」と、H病院側もM先生に興味を持って頂き、面接をして頂ける事になった。