ドクター転職ショートストーリー

医師の岐路との向き合い方(下)

2013年03月01日 コンサルタントH

2件の面接に立て続けに訪問し、老健と特養のどちらかでA先生も決めようとされていましたが、もっと臨床に携わりたいという気持ちがどうしても捨てきれない…もう少し他の医療機関を見てみたいのだが…と先生からご相談を受けました。私はどちらかで決定すると思っていたので、いささか驚きましたが、先生の意向をしっかりと受け止めようと思い、再度面談をすることになりました。

再度要望を聞くと、病棟管理のみに特化した形での求人は無いか?ということでしたので、早速弊社の登録求人を調べてみたところ、神経内科の病棟管理という求人がWEBサイトへ新規案件でUPされてあり、求人担当者とすぐさま打ち合わせを行い、A先生を紹介できそうな病院か確認をとり、下調べを行った後、病院側に連絡をし、早速A先生と訪問することになりました。

病棟を見学する中で、神経内科に特化した病院ということもあり、延命治療を行われている患者様がほとんどで、先生ご自身が今までにあまりご経験されていなかった分野に不安を持たれつつも、非常に興味を持って頂きました。面接後、病院からもすぐに内定通知が来て先生にご報告したところ、大変喜んで戴きました。

ただ、もう少し違う形の病棟管理にも興味があるという話がA先生からあり、リハビリを中心にした病棟管理メインの求人をご紹介しました。そちらは来年には新病棟を建設し、現在の病棟数を約2倍に増やす計画もあり、理事長のお人柄もあり地域住民にも大変信用されている病院でした。面接は理事長先生が自ら行って下さり、A先生とはTV番組の話や、研修制度の話で盛り上がり、A先生も気に入ってくれていたのですが、今回は残念ながらご縁がなかったとの連絡を頂きました。

そんな中、A先生と電話で話をしていると、今後の医療業界はどんな方向に進むのかな?という話になり、在宅の話をすることになりました。A先生は「以前に在宅の非常勤のバイトでやっていたのだけど最近はどうかな?」と質問があった。そこで診療報酬の変化の話や、勤務が大変なのでは?という質問があった。

A先生のイメージでは1人の常勤医師が管理医師になり、24時間365日のオンコール対応をやらないといけないために医師が疲弊しきっているのでは?と質問をされました。私がお付き合いのある医療機関の中から、オンコールや勤務時間などをDrの要望に合わせて柔軟に対応頂ける医療機関をご紹介させて頂くことになった。

その医療機関は週4日からの勤務が可能でオンコールは非常勤のDrに担当してもらっているので身体的な負担が少ないところであった。面接もA先生が以前に非常勤のバイトで週に1回在宅診療をやっていたということもありトントン拍子に話が進み、すぐに内定を頂けることになった。

さすがにもう見る医療機関はないだろうと思っていたところ、ご自宅の近くにある介護型の療養病棟の管理の求人を、弊社のWEBサイトでA先生が閲覧し、興味を持たれたので訪問することになる。

合計6つの医療機関との面接に同行することになり、内定を頂いた5つの医療機関にA先生の要望などを伝え、勤務日数や待遇面などの調整を同時進行で行うことになる。

1名の先生にここまでの医療機関をご紹介するということは滅多にないのだが、弊社の中で掲げている「草の根営業」という言葉の意味を考え、トコトンA先生の要望に向き合おうと決意しA先生と2人3脚で医療機関を訪問する日々が続きました。

その結果、最終的には神経内科の病棟管理という業務を選ばれました。

しかし、A先生のご自身の医師としての使命感を尊重し、人生の転機を私に任せて頂いく限りは、必ず希望の医療機関を見つけようという決意で、A先生の案件を探すために電話し、訪問し続けた結果が出た瞬間は、コンサルタントとして感じるものがありました。『真摯に向き合う』ことを忘れず、今後も1人でも多くの医師のキャリア形成をお手伝いしていきたいと思いました。

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