ドクター転職ショートストーリー

リハビリテーションへの拘り(上)

2015年03月15日 コンサルタントH

72歳で整形外科のH先生との出会いは約2年前のことでした。入社して間もないころは業務になれるために、医療機関に連絡を入れて求人内容の更新を行い、夕方以降は各先生方に連絡を入れて、転職や定期非常勤の新たなご要望がないか近況伺いを交えながらご連絡をしているなかで、H先生とつながりました。現勤務先も弊社を利用されてご転職された経緯もありご面談の時間を頂戴することが出来ました。

数日後、H先生がご勤務されています病院へ訪問し面談を行った中で、私としてはいろいろ案件をお持ちすれば転職を前向きに考えてくれるのではないかという安易な考えを持っておりました。しかし、転職については全く考えていないことはないが、今すぐ転職という状況ではなく求人情報の収集を目的とされていました。

H先生の勤務状況は、整形外科に所属し、救急対応もされている中でリハビリテーション科部長を兼任されておりました。H先生のお考えとしては、リハビリテーション科は兼任ではなく、整形外科医としてのキャリアを生かして術後の患者さんが寝たきりにならないよう早期からリハビリを始め、一人でも多く自宅、社会復帰できるような体制を構築するために専属リハビリテーション医としての勤務を病院長に要望していましたが、聞き入れてもらえない状況とのことでしたので、H先生がご希望の勤務が出来る案件を是非提案させて下さいと熱くお願いしたところ、そこまで言うならとご検討いただける事になりました。

早速、リハビリ科の先生を募集されている医療機関へ連絡を入れて案件を探しましたが、年齢のことを伝えると高齢ということで殆どのところで難しいという返事ばかりでした。私も、H先生のリハビリに対する気持ちを病院担当者に伝えるためには、電話やメールだけでは足りないと思い、募集のある病院はもちろん以前募集のあった所や、リハビリを前向きに捉えている医療機関へ訪問し、H先生のリハビリテーションに対する熱い思いをお伝えしました。結果、先生が希望される通勤範囲で2件面接の依頼を頂くことができました。

そのうちの1件は都心にある250床規模のG病院で、神経内科がご専門の先生がリハビリ専属医としてご勤務されており、リハビリ患者が増えることが見込まれるので、整形系疾患のリハビリを診ていただける先生がおられれば採用は検討可能ということでした。H先生のご意向に沿っていることもあり面接設定の依頼がございましたので、この案件ならH先生は面接に行って頂けると自信に満ちた思いでH先生にお伝えするも、H先生としては現病院で病院長にリハビリ医として専従し、体制構築できるよう改善を求めていることもあり、私の高ぶる思いに反し、至極低いものでした。

次へ続く

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