ドクター転職ショートストーリー

医師の眼となる(上)

2015年06月15日 コンサルタントM

A先生は、北海道のオホーツク圏内にお住まいで、もともと脳外科医。急性期病院の理事長をされていたご経歴をお持ちの50歳代前半の先生でした。

病院の理事長を勇退後、精神科の病院で心身ともに診断・治療のできる実績をつまれ、老健施設の施設長を経て、地方のクリニックで管理医師として、地域に根差した「かかりつけ医」として、ご活躍をされていました。

昨年、8月に運営サイト「e-doctor」より転職希望のエントリーを頂きましたが、お忙しいのか、メールをしても、電話をしてもつながらない期間が2ヶ月間続きました。

基本、新規エントリーの先生は、弊社より連絡をすると即連絡がつくケースと全く連絡がつかないケースの二通りに分かれます。
後者の場合、すでに別ルートで進めている求人があり、最終の条件の摺合せの段階か、転職先が決まっているケースが多く、A先生についても、後者のケースでした。

私は、連絡のつかない2ヶ月間も、1週間に1回のペースで、メールと架電により連絡を取り続けていたある日、やっとA先生とコンタクトが取れました。

先生の話では、道東の病院で非常に熱心に自分を必要としている医療機関があり、そちらに決めるか検討しているという状況でした。但し、即答できない理由としては、病院自体は非常に気に入っているものの、母体となる法人の経営方針に対し、あまり気乗りがしないということでした。

また、オホーツク圏内に自宅がありながらも、道東での宿舎住まいになることも踏ん切りがつかない理由でした。

改めて、先生のご希望をお伺いすると、脳外科医だが、直近は診療所で内科として、プライマリーな診療をしているため、今後も地域に根差した診療をしたいということ、できればオホーツク圏の自宅から通えるところ、年俸は前職と同等(2,000万円強)の金額をご希望とのことでした。

進行中の求人に対し、転職を決めかねている状況、本音のご希望を伺い、「それであれば、他の医療機関を私が探し、先生が新天地でご活躍できる求人を私が探します!」と胸をはりお伝えしました。後に先生から聞いたことで、あの時の「新天地でご活躍できる求人を探します!」という私の言葉が非常に頼もしく、新たな求人を心待ちにしていたということを教えて頂きました。

しかし、いい意味でも悪い意味でも、先生が以前病院の理事長をされていたことにより、先生へご提案する求人は、思いのほか難航し、ご自宅から通える範囲でご希望に副える求人はございませんでした。

次へ続く

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