ドクター転職ショートストーリー

母は強し!!「家事は趣味」(上)

2015年12月15日 コンサルタントN

11月下旬、39歳の女性医師より『e-doctor』にエントリーを頂きました。
エントリー内容はというと、『転職時期』『希望年収』『希望科目』の項目が空白だった為、先ずは先生に空白の項目をヒアリングさせて頂く事からスタートしました。
エントリーを頂いた当日に御礼と先生のご希望を伺いたく、一度面談をさせて頂きたい旨をメールにてお伝えしました。

翌日、先生より「様々な要因が絡まりあっており、自分自身でもどうすれば良いか分かりません・・・」との返信がありました。
「様々な要因とはなにか。」私はこの時点で『転職サポートという職責』よりも、まずは先生の現状を伺いたいとの思いが強くなり、同時にその様々な要因を解決、解消しなければ話しが前には進まないと判断し、「直接お会いした上で、解決策を見つけましょう」とご提案をさせて頂きました。

先生からは「曜日と時間が限られており、且つ考えが纏まっていないがそれでも良ければ是非・・・」とのお返事を頂けたため、ご指定の12月1週目にご面談をさせて頂く事となりました。

面談当日、待ち合わせ場所には、私の印象とは全く違う雰囲気の先生がいました。今までのメールの内容から、非常に落ち込んだ様子で、かつ、暗い雰囲気なのかと思っておりましたが、表情は明るく、お話しもスムーズで非常に晴れやかな先生でした。
一通りのご挨拶、世間話を終え、先生より時間限定での面談と言われていた為、早々に本題の『転職における様々な要因』を伺わせて頂きました。

その内容は、実家が開業しており、将来兄妹でその病院を継承する予定であり、15年間『精神科1本』で業務を行ってきたが、自分自身が内科のスキルを身に着けなければならない可能性があるということ。
加えて、継承するまでの時期が最短で3年後になる可能性があり、それでも受け入れてくれる医療機関があるか不安であること。
更に、中学生のお子様の塾の送り迎えを行い、小学生のお子様の学校ではPTAの活動で集まりが頻繁にあり、そこに2歳のお子様もいる為、急な行事や子どもが病気の際に休みをしないといけないことと様々な要因が絡み合っていました。

私はこのお話しを伺い、先生の医師としての責任感(精神科)、娘としての使命感(内科を学び継承すること)、に併せ、母親としての家事、育児が重なり本当に大変な状況だと思いました。
そこまで話を伺い、先生の面談のタイムリミット(=2歳のお子様のお迎え)の時間まで残り15分少々だった為、今後のスケジュールと考え方を先生にお伝えいたしました。

まず、この度の転職の要因は『実家を兄妹で運営する際に内科のスキルが必要になるかも知れない』と言う事が最大のポイントである事を確認し、それが確定しない事には次には進めない事を伝えました。先生より「年始に兄妹に合うのでその時に明確にしておきます」との事でこの件は一旦保留と致しました。

また、先生が非常に気にされていました転職しても最短3年で退職になる可能性に関しては、その事実を事前に先方に伝え、それでも受け入れて頂けるところをご提案させて頂く旨を説明しました。従って私から先生にご提案させて頂く時点で、この点は承諾済みだと理解して頂いて大丈夫ですとお伝えし、ご安心頂きました。

ここでご面談時間がタイムアップとなった為、今後はメールや電話で近況伺いをしながら、年始には兄妹で話し合いの場を持つとの事でしたのでその結果報告も兼ねて年明けにお会いする約束をし、面談を終了いたしました。

面談翌日、先生より御礼のメールを頂きました。そこには「引続きサポートして頂きたい」との旨の内容も書かれておりました。このメールに対して私は1つの事に気づきました。それは今回の先生からの御礼メールだけでなく、それまでのメールも、思い返せばご連絡当初の御返信も全て、先生からの配信時間が午前5時前後だったと言う事です。

その理由は今なら十分に理解できます。

それは、ご自身が出勤の為家を出るまでの間に、洗濯物やお弁当作りなどの家事を一通り行い、お子様やご主人の朝食の準備と、自身の出勤準備、2歳のお子様の保育園への送迎などを朝の限られた時間内でしなければならない為、先生は日々、早朝4時頃に起床されていると言う事です。そしてその限られた時間の中で、私に対しても的確なご意見、ご質問、ご要望を下さっていたと言う事です(後日この件を先生に伺ったところ、『ルーティーンですね』と笑っておられました)。

次へ続く

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