大学医局制度の復活の兆し(下)
2016年03月01日 コンサルタントT
V先生は、開口一番「教授と話し合ったが、基本的に医局を退局することはできない。」と言われました。一抹の不安が私の脳裏をよぎりましたが、先生は、
「ただ、私もA病院で是非とも勤務したいので、教授と相談した結果、大学医局に籍を置いたままA病院に入職したい。要はA病院を私の大学関連病院にして欲しい。そうすれば教授の顔も立つ。」と言葉を続けられました。
V先生のお言葉を胸に刻み、1週間後、A病院の副院長、理事長とご面談することになりました。両先生方ともしばらく考えておられましたが、A病院は現在、外科系はV先生の在籍医局とは違う大学の医局関連ではありましたが、内科系医師の採用については特に問題無ということでV先生のご要望を受け入れていただくことになりました。
V先生がA病院でご勤務開始されてから1カ月後、先生にご近況伺いの連絡を入れたところ、給与条件も週4.5日勤務で年俸1,800万円と大幅アップしたし、教授の顔も立てられたということで、たいへん満足されておられました。
冒頭でも述べましたように、医師紹介斡旋会社も雨後の筍のごとく乱立している昨今ではございますが、これからは淘汰の時代に入るでしょう。2017年度から開始される新専門医制度により、大学医局制度の復活の噂もあちらこちらで耳にします。我々、医師紹介斡旋会社のコンサルタントごときが、医師に対して、大学医局の辞め方などと安易にアドバイスできるような時代は終焉を迎えようとしております。
そのような兆候を示す今回の紹介案件ではございましたが、当社としましては、医師並びに医療機関様にご満足いただくためのビジネスモデルの構築や社員の更なるスキルアップを目指す所存でございます。
完