ドクター転職ショートストーリー

Drの出産と勤務(下)

2017年05月01日 コンサルタントI

30代半ばのママさん産婦人科医の復職に向けて、医療機関をお探しすることとなりました。

T先生は通勤距離重視(30分~40分)ということもありますが、まずは選択肢を広げるために、先生希望の範囲よりも少し広げてお探ししました。
医療機関に対し、産婦人科医募集の有無を再度確認して、業務内容・基準年棒・募集の背景などをリスト化して、先生がトータル的に候補を絞りやすい様にしました。

現在募集中の病医院は地域的可能性も含めると4病医院が候補となりました。

常勤の場合、年棒や勤務内容は交渉ごとになりますので、参考程度として先生に判断してもらいました。

その中で、Tクリニックが先生のご自宅からも非常に近く、年棒も交渉可能であることから、私自身でも第一候補と感じておりました。
基本的な業務内容は確認しておりましたが、院長先生をはじめ、勤務されている方々の把握はしていなかったため、お調べする必要はありました。

先生から返事があり、
『私、このクリニックで4人目の子どもを出産しました』『大変興味有です』

先生とのお話の中で、4ヶ月前に出産したクリニックであること、院長先生や看護師・助産師の印象も良く、施設内も清潔感があると感じられていたとのことでした。
なによりも自宅から自転車で10分程度の距離ということが魅力でした。

出産したクリニックに勤務することに対しても、抵抗感は特に感じられていない様子でした。

T先生の方がTクリニックに対して詳しく、コンサルタントとして申し訳なく感じました。

他の病医院はひとまず次候補として後にして、先生とTクリニックがより良い方向に進むように準備・下交渉をすることにしました。

Tクリニックへ訪問して、勤務内容の実情・募集の背景をお伺いしました。
募集の背景については、現在常勤医が2名・非常勤医3名の体制であり、非常勤は人員体制的に不安定要素があり、常勤医を増員して人員の安定を図りたいということでした。

T先生を匿名でのご紹介をして、これまでの勤務暦、退職理由をお話させていただいたところ、前勤務先での出産直後の勤務内容にも同情していただき、また、T先生のご家庭の事情も理解を示し、是非お会いしたいとの事になりました。

一点だけ、子作りは問題ないが、次の出産は勤務が安定するまで、少し間を空けてもらいたいと和やかに仰っておりました。

この時点ではTクリニックでの出産暦があることを控えておりました。

早速、先生に連絡を取り、Tクリニックの面接希望日をお伝えして、面接実施となりました。

面接時は、終始和やかな雰囲気で行われ、出産暦があることもお伝えして、驚きがあり、さらに、話が早いということにもなりました。

勤務に慣れるまで院長先生とペアを組み診療にあたっていくことや、T先生が若干自身のない手技についてもご指導頂けるとのことで、T先生としても安心されたようでした。

当直などを含めた基本的な勤務内容・年棒や、学校行事の際など子育ての支援についても両者合意して、内定となりました。

その場では確認できなかった事項などについては後日承るとして面接終了となりました。
非常に寒い日でしたが、T先生も意気揚々と自転車で帰宅されていきました。

後日、詳細事項(特に子育て支援)について調整を行い、解決して雇用契約締結となりました。

Tクリニックから再度、『次の出産は少し間をあけてくださいね』とあり、
T先生からは『もう出産は十分です』とお話されておりました。

今回は子育て支援が一般的には認知されつつありますが、実情はまだまだであると実感させられた事例でした。
しかし、T先生から感謝の言葉をいただき、満足された様子であったので、ご協力できたと思います。
最後に先生から『がんばって稼ぎます』と本音も伺うことができました。

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