40代男性皮膚科医師の転職(下)
2018年11月01日 コンサルタントT
X病院では、大学医局人事で当初は60代の皮膚科医師が週1回来られていたのですが、この先生が体調を崩され、代わりの女医さんが来られてから皮膚科外来患者が増えたようでした。理事長先生がこの女医さんにお話を聞かれたところ、女性患者に対する対応はひじょうにきめ細かいものだったようです。具体的には、アトピー性皮膚炎による強い肌の乾燥、打撲によるあざの治療、ケガをしたあとのケロイドの予防などに用いられる「ヒルドイド」を手足の保湿剤として勧められたりしていたようです。この女医さんが意図した訳ではなく、乾燥肌や加齢によるしわなど、女性が気になる肌トラブルを解消すると口コミで広がり皮膚科外来の増患に繋がっていたようです。
A先生は、面談終了後、医療用医薬品を美容目的で使用することは、用量を間違えたり、飲み合わせが悪かったりすると思わぬ健康被害を招くことがあるし、健康保険を使う場合には、適応も決まっているので自分のポリシーには合わないと言われ、今回はご縁がなかったとの結果になりました。帰路、A先生とお話をしていると、私が個人的に皮膚科で処方してもらった虫刺されに処方された「ベクトミラン軟膏」を見せると、強い薬はあまり多用しない方が良いとアドバイスを受けました。A先生は、患者目線で皮膚科診療を行っておられると痛感しました。
それから2週間ほどしてから、兵庫県下の一般皮膚科クリニックより求人を頂きました。このクリニックは、前述のような50代の女医さんが経営されているクリニックで、外来診療枠を数人の非常勤の女医さんで担当されておられましたが、諸事情でお休みされる先生や美容へ転科される方が多く、週4日勤務でも良いので常勤医師が欲しいとのご要望でした。早速、A先生とのお会いして頂くことになり、クリニックの院長先生もA先生の物腰の柔らかいお話しぶりや、皮膚科診療に対する考え方をお気にいられ即採用ということになりました。
お給料の週4日勤務ではございましたが、年俸1,400万円で、患者層は近所の学生さんから、地域の高齢者まで老若男女 にわたり、A先生のご希望にほぼそえる転職となりました。患者の立場で皮膚科診療を行われているA先生のご活躍を祈念する次第でございます。
完