医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

#01 これからの時代を生き抜く!医師のキャリアプラン

医師免許には有効期限がないため、一生涯安定した収入が得られると思っている人も多いかもしれません。確かに、ひと昔前までは一般企業における終身雇用のような制度が存在し安定していました。しかし、そのようなシステムを採用している病院は少なくなっています。それを受けて、医師の働き方が多様化し、転職も難しいものではなくなってきています。多様化する医師の働き方の波に乗り遅れないためには、どのような点に注意したらよいのでしょうか。

これからの時代を生き抜く!医師のキャリアプラン

医師も自分でキャリアを切り拓く現代

医師における過去のキャリア形成には、医学部を卒業後に受ける「出身大学での研修」や「関連病院への出向や派遣」といったものがあり、これらには医局の意向が大きく影響を与えていました。つまり、これまでの医師が自分自身の選択によってキャリア形成を考えられるのは、一人前の医師になった後に「開業するかどうか」という程度のものだったのです。しかし、2004年に行われた臨床研修必修化によって、これまでにない選択肢が生まれてきました。医学部卒業後にある初期研修や後期研修だけでなく、医局や大学病院での勤務を選ぶか、市中病院に転職するかといった選択まで自分で行えるようになったのです。もちろん、選択肢が多くなることは良いことですが、その分迷いが生じてしまう人が多くなったのも事実です。かつての初期臨床研修開始時はあらかじめ決められていたレールに乗って行うものでしたが、それすらも必修科目+選択科目という具合に一部選択できるようになりました。どのような診療科目を選ぶかによってこれからの将来が大きく左右されるという点では、自分でキャリアを切り拓かなければならない難しい時代に突入しているといえます。

多様化する医師の働き方

政府が進める「働き方改革」の影響で一般企業における働き方も多様化しており、それは医師の世界にも波及しています。これまでのような正社員だけでなく、契約社員やパート、アルバイトといった求人も増えてきました。働き方が多様化している原因としては、そうした政府の取り組み以外に「インターネットの普及」「女性医師の増加」が挙げられます。 インターネットが普及し、さまざまな求人情報が掲載されることによって、条件のより良い職場を簡単に探すことができるようになりました。そのような求人情報サイトは徐々に細分化されており、医師に特化したものまで登場しています。これまでは比較的ハードルの高かった「医師の転職」が、それほど難しくなくなってきています。 また、女性医師が増加していることにより、出産や結婚といった出来事に対応するために働き方が多様化しているという側面も見逃せません。働き方の多様性が広がったということは、これまで意見が通りにくかった課題についても徐々に要望が通るようになってきた証でもあります。

目指すビジョンは明確に持とう

このように、医師のキャリア形成や働き方には、昔と比べて非常に多くの選択肢があります。しかし、その分「自分がどのような方向へ将来進みたいのか」を自分で選択しなければなりません。「自分の将来を自分で決める」責任があるのです。 キャリアについて迷う時に大切なのは、「できるだけ明確なビジョンを持つ」ことです。「自分がなぜ医師を目指すようになったのか」を思い出すのも良いでしょうし、就職後の条件について診療科目ごとに比較してみるのも良いでしょう。人それぞれ何かしら思いつくはずです。ただし、思いついた理由に対して「優先順位を付ける」ことは忘れないでください。自分の希望条件を全て満たしてくれる職場はほとんどないといっても過言ではありません。また、あったとしても必ずそこで働ける保障もありません。できるだけ高い優先順位の条件を満たしている医院であれば、働き始めても後悔することは少ないでしょう。何となく「希望する条件に合致しているから」という理由で働き始め、他の医院の待遇を見た時に後悔するということがないようにしたいものです。医師として働き始める時に、可能なかぎり明確なビジョンを持っておくことは、将来的な成功のカギとなるでしょう。

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