医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

#04 医師は潰しが効くのか?医師以外への転職を考えたとき

国家資格職である医師ですが、免許さえ持っていれば将来まで仕事が安泰というわけではありません。医師として実際に現場で活躍するためには、質の高い経験と実績が求められます。特に、医療機器の発展や術式の開発が著しく、高い技術を求められる外科の分野で活躍するためには、積み上げていくキャリアが重要となるのです。そこで、今後外科医として活躍するにあたり考えておくべきキャリアプランについて解説します

医師は潰しが効くのか?医師以外への転職を考えたとき

医師免許を活かした仕事

医師免許を取得した後、臨床医や研究医に就いて仕事をするのが一般的です。しかし、それ以外にも医師免許を活かせる職場がいくつかあります。
厚生労働省には、医系技官という国家公務員が在籍しています。医系技官とは、保険医療に関する政策の立案から実施までの過程にかかわって制度を作る人です。医系技官になるには、医師免許か歯科医師免許が必要になります。したがって、医師免許を活かして医系技官へ転職することが可能です。また、医師免許を活かしながら保健所で公務員として働くこともできます。保健所とは、地方レベルで人の健康面や衛生面をケアする公的機関です。保健所ではエイズの医療相談やインフルエンザなどの感染症の予防接種、病院、飲食店、美容店への立ち入りの検査を行っています。これらの業務を行う際、医療知識がある程度必要となるので医師免許を活かすことができるのです。さらに、保健所の長になるには、原則医師免許の所持者でなければなりません。したがって、保健所へ転職すればキャリアアップの道も見えてくるでしょう。それから、警察で法医学者として働く道もあります。法医学者とは、犯罪事件で人が亡くなった場合、遺体を解剖することで死因を明らかにする役割を担う医師のことです。医学的な面から犯罪事件の解明に役立てる仕事だと言えます。

全くの異業種への転職

医師からの転職を考える際、医師免許を活かせる職場を選択しようとする人が多いのではないでしょうか。しかし、医師から転職する人の中には、医師以外の異業種の職場へ進む人も少なくありません。一般企業の中でも、医師の仕事で培った知識や経験が役に立つのです。
たとえば、保険加入の審査や保険金の支払いの際、医療の知識が必要となるケースがあるので医師免許を持っている人を重宝します。そのため、医師から保険会社へ転職する人もいます。また、製薬系の企業内でも医師免許を持っている人の需要は高いです。新薬開発やシステム開発を行うときなど、医師の経験で得た知識をダイレクトに活かせます。そのようなことから、医師免許を持っている人にとって製薬系の企業は有力な転職先の一つとなりつつあるのです。そのほか、医師免許や医療知識とは全く関係のない業種へ転職するケースもあります。たとえば、医師の仕事よりも株や為替の取引に興味を持ち、投資銀行へ転職するような人もいるのです。

転職には相当の覚悟が必要

医師の転職は決して簡単なものではありません。例えば、大学病院の医局から民間の総合病院へ転職した場合を考えてみましょう。民間の総合病院へ転職すると、基本的に大学病院の医局で築いてきた信頼や地位を捨てて、新しい環境で再び一から築いていくことになります。それにより、これまで描いていたキャリアプランが崩れ、また新たに練り直す必要があるかもしれません。また、必ずしも自分の満足できる給料をもらえるとも限りません。転職先によっては、今までより下がってしまうことも考えられます。
医師を退職した後、異業種の一般企業へ転職したときはどうでしょうか。この場合、働き始めるときにこれまでの意識を変えていかなければなりません。医師の仕事であるなら、自分の業務だけに集中することができます。しかし、一般企業で働くときは、自分の仕事が企業にどのような利益をもたらすのかを考えながら業務を果たす必要があるのです。この意識改革を怠ってしまうと、新しい職場の適応に時間がかかってしまいます。
医師が転職する場合、将来のキャリアプラン、収入面、職場環境、仕事に対する意識などいろいろな面で変化が生じます。そのため、転職を考えているのであれば、相当な覚悟を持って決意しなければなりません。

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