#11 成功のコツは?精神科を開業する前に知っておくべきこと
精神科の開業は他の医療分野に比べて資金があまりかからないといわれています。医療機器を導入する必要がないので、開業における負担は少ないといえるでしょう。ただ、成功させるためには気をつけたいところもあります。今回は精神科の開業にあたって知っておくべきことをご紹介します。
精神科の開業費用はどれくらい?
精神科を運営するに際して、必要になる設備機器はそこまで多くありません。専門的な検査や治療をしないのであれば、設備投資に必要なのは電子カルテやレセコンくらいです。そのため、設備面での費用をそこまで考慮する必要がありません。ビルテナントで精神科の開業を考えるなら、だいたい2000万円くらいの資金があれば十分に開業が可能です。また、精神科に通っていることを人に知られたくない人も少なくありません。そうした事情から、駅前の人通りの多いビルテナントよりも、ちょっと駅から離れた立地にクリニックを構えるのが理想です。駅から離れればビルテナントの相場も下がります。そのため、開業資金を1000万円くらいに押さえられることもそこまで珍しくないようです。
開院前に徹底的なマーケティングをすべし
開業直後から確実に収入を得られるというわけではありません。勤務医と違って、自ら患者を集客しなければいけない開業医は、開業後から確実に収入を得るために、事前の徹底したマーケティングが欠かせないでしょう。なぜならば、開業資金がそこまでかからないという医師側のメリットだけでなく、社会的不安が大きい現代社会において精神科自体のニーズが高まっているからです。地域によっては精神科クリニックが飽和状態になっている場所もあります。開院前に徹底したマーケティングを行い、精神科クリニックが相対的に少ないところに開業できれば、より高い集客が可能になるかもしれません。また、精神科という科目柄、患者がリラックスしすいように院内の環境整備することも大切です。単なる落ち着きたけでなく、その土地に合った雰囲気を作り出すことで顧客満足度をより高められるでしょう。そのためにも、マーケティング戦略をしっかりと練ってから事業を始める必要があります。
広告はネットを上手く活用して!
患者を効率的に集めるためには、ネットの利用を考えない手はありません。今や情報のほとんどはネットを通して行われています。とりわけ精神科への受診を検討すると言うことは、誰にでも気軽に相談できるような内容でないだけに、情報の収集もあまり人に知られない手段が好まれます。精神科に行くかどうか悩んでいる人がインターネットの広告を頼りにクリニックを探すことは、珍しくありません。そのため、広告はネットを上手に活用することが大切です。少しお金をかけてでもホームページを作成して、「この先生に診てもらいたい」と思ってもらえるようにしましょう。ホームページ作成の際のポイントとしては、専門用語を並べすぎないようにすることです。より多くの人に関心を持ってもらえるように、できるだけ閲覧者が読みやすいホームページ作りをすることが大切です。また、ホームページを見てもらうために、検索エンジン対策をすることも忘れないようにしましょう。
十分な準備でリスクヘッジを万全に
比較的費用がかからず、需要も高いことから精神科は開業しやすい分野だと考えられています。しかし、マーケティング戦略やホームページ作成をせずに開業してしまえば、経営がうまくいかず、勤務医の頃よりも収入が減ってしまうことも珍しくありません。精神科の開業医は多く、それぞれのクリニック間で激しい生存競争が起こっています。それを生き残るためには、精神科としてさまざまな戦略を考えていかなければなりません。マーケティングやホームページだけでなく、病院としてのサービスを拡充したり、地域に密着したクリニックを心がけたりなど、信頼される病院づくりを目指していく必要があります。開業医として失敗しないためにも、十分に戦略を練って準備を整え、リスクヘッジを万全にしておくようにしましょう。