#20 やりがいがあるから続けられる!小児科医のお仕事
転科を考えている医師や医学生にとって、どの科が自分に向いているのかは重要な問題です。できるならば、天職といえるほどの仕事をしてみたいというのは誰でも考えるでしょう。そこでおすすめしたいのが小児科です。やりがいを感じられる小児科の仕事についてご紹介します。
志の高い先生も多い!?小児科医を選ぶ理由
少子化の傾向がすすむ日本ですが、だからといって小児科がなくなるわけではありません。むしろ、子供の数が少ないとは思えないほど小児科クリニックでは毎日子供でごったがえしているのです。小児科クリニックや病院では、腹痛や頭痛、ケガなど軽めの症状のものから重病を疑う症状まで、多くの症例と向き合っています。小さな子供は自分の症状を正しく伝えられないことがあり、診療が思うように進まないこともあります。また、症例の少ない難治性の病気を抱える子供の治療では、切ない気持ちになることもあるでしょう。その反面、常に小児科は子供たちの声が響きにぎやかで、静かなことが当たり前の病院とは別世界のようです。子供が好きだから医療の現場でも子供と触れ合っていたい、という理由で小児科の先生を選んだ人もいます。また、未来ある子供の将来を守りたい、一人でも多く病気の子供を救いたい、という高い志を掲げて小児科の扉を叩く先生もいます。小児科では子供特有の病気を治療することも多く、自分の力で子供の価値ある未来を開かせてあげたいという崇高な思いで小児科医になる人も少なくありません。
責任の重大さがやりがいに
小児科の一番の大変さは、子供の病気は時間を問わないという点でしょう。一般的にケガや急な病気など医療は常にまったなしの状態です。多くの病院では救急外来などを設け、夜間の救急医療体制を敷いています。しかし、とりわけ小児科は、他の科と比べて夜間などに呼び出されることが少なくありません。子供の急な発熱など夜間に発生することが多いため、小児科医は常に忙しく大変というイメージがあります。また、小児科の場合は病気や治療法の説明などの際に、親とのコミュニケーション力や正しく説明できる能力も必要です。子供の治療に関する専門医としてすべきことが多く、かつ責任は重いものがあるため、小児科の医師の仕事は決して簡単なものではありません。しかし、自らが治療した子供が、退院後に元気な姿を見せに病院に再来したときや、成長した姿を手紙などで知らせてくれると、自分の仕事が他人の喜びとなっていることを実感できるでしょう。それこそが、小児科医の醍醐味ともいえる瞬間です。小児科の仕事は重大な責任を負うものですが、子供の未来を創ることを感じることで、本当のやりがいにつながっていく仕事だといえるでしょう。
モチベーションはキャリア形成の力になる
小児科医になることで得られるのは、やりがいや幸福感だけではありません。少子化が進んだことにより、小児科も減ってきているのが現状です。そのような中で小児科は集約化され、小児科の高度な医療体制を整える総合病院と外来中心のクリニックとの二極化が進んでいるといえます。高度な医療技術を整備した病院では、難治性疾患のある子供を受け入れる体勢があるため、高度なスキルを持つ医師が求められます。こうした病院では、高度なスキルを身につけるチャンスが得られるでしょう。小児科自体は減少傾向にあるとはいえ、小児科医はこれからも変わりなくニーズがあります。さらに、高い技術と知識を得た小児科医は、引く手あまたとなる可能性もあり得ます。こうした技術力を身に付けることも、小児科を選ぶモチベーションとなるのではないでしょうか。また、モチベーションは自身のキャリア形成の原動力ともなります。小児科医になることは、医師としてのさらなる飛躍のためにも大きな礎となるでしょう。