医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

#45 歯科医の需要と供給のバランスは?年収は高い?

医療のスペシャリストである医師は、他の職種と比較して高収入となっています。しかしそんな医師の中でも、供給過多になりつつあるのが歯科医です。ここではそんな歯科医の現状についてポイントをまとめてみました。

歯科医の需要と供給のバランスは?年収は高い?

コンビニの店舗数より多い歯科医ってホント?

虫歯や歯周病など歯に関するトラブルを解決してくれる歯科医ですが、近年その数は急激に増加しています。実際地域によってはコンビニの数よりも歯医者の数の方が多いような場所もあるようです。
ここまで歯科医の数が増えた理由には昭和40年代の高度経済成長が関係しています。高度経済成長期には人々の生活が大きく変化しました。それは食生活も例外ではありませんでした。外国からの甘いお菓子は瞬く間に広がり、それによって虫歯の患者が急増したのです。それに伴い歯科医の需要が増したのですが、当時歯医者さんの数はそれほど多くなく深刻な医師不足となりました。そこで政府が国を挙げて歯科医の育成に取り組んだのです。また当時は数が少なかったこともあり歯科医の年収は非常に高額なものでした。
その政策の効果もあり、深刻な歯科医不足はなくなりましたが、今度は反対に開業した歯科医院が多すぎる状態となってしまったのです。これが今日のコンビニの店舗数より多い歯科医の問題へとつながっているといえるでしょう。

歯科医って患者さんを集めるのも仕事?年収アップするの?

供給過多に陥ってしまった歯科医にとって、患者さんを集めるのも重要な仕事の1つとなりつつあります。実際にクリニックが密集している都内の歯科医院では収益悪化に悩む歯科医も少なくありません。
そこで患者を集めるために様々なサービスを取り入れます。例えば保険適用外の治療です。予防歯科やインプラントなど、その歯科医院でしか提供できない最先端の技術を取り入れることで、患者の獲得を目指すのです。他の歯医者さんとの差別化を図ることで、年収アップも期待できるでしょう。また夜間診療や休日診療などを行うことも、患者さんにとってはうれしいサービスです。仕事帰りに立ち寄れる環境を提供することで、新しい患者さんを集めることにもつながります。
このように歯科医の仕事は、ただ治療に専念するだけでなく、営業経営といったノウハウも必要となりつつあるのです。

歯科医院を開業する?しない?年収はどちらが高い?

一般的に医者は開業医の方が年収が高いといわれています。しかし歯科医に限っては、勤務医の方が収入面で優れている場合もあります。これも供給過多の現状が関係しています。
医師の平均年収は1000万円~2000万円程度で推移していますが、歯科医は600万~1500円万円と低めの傾向です。また開業医の場合は、来院する患者数が年収に直結するため、立地によってはこれより少ない年収となるケースもあるのです。
しかし勤務医となると、一定の給与は保証されます。豊富な実績と経験があれば、それに見合った待遇で働くことも可能でしょう。よって特別なスキルを持っており、それを活かすことが職場であれば勤務医でも高年収が期待できます。

トラブルを未然に!歯科医の注意ポイント!

歯科医に限らず人の健康を支える医師には一定のリスクが伴います。特に開業医の場合は、そのリスクを医師が背負う必要があるのです。よってトラブルを未然に防止できるような体制を整えることが重要なポイントです。
歯科医のトラブルとして最も多いのが治療費に関するものです。「高額な治療費を払ったのにも関わらず、効果が見込めなかった」「先生から勧められるままに治療を行ったら、歯に違和感を抱くようになった」など、いろいろなトラブルが考えられます。
こういったトラブルが起こらないためにも、事前に治療内容とそのリスクについてしっかりと説明するように心がけましょう。また治療に関する同意書にサインをもらうことで、トラブル発生時のリスクを軽減することも可能となります。

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