#46 内科医は専門分野によって年収が違うの?
「内科医」とひとまとめにされがちですが、内科医には実は様々な専門分野があり、それぞれで異なる特徴を持っています。ここではそんな内科医について仕事内容や年収、長く続けるためのポイントを紹介していきます。
内科医になるには時間がかかるってホント?
医師は大きく2つのジャンルに分類されます。1つは手術などの外的治療を行う「外科」です。そしてもう1つが服薬などによる内的治療を行う「内科」です。
内科医として働くためには、平均で10年の時間がかかるといわれています。まず医師となるためには、通常の大学より長い6年制の医学部に進学する必要があります。医学部では基本的な医療知識を身につけるだけでなく、病院での実習も行います。そして卒業後には医師の国家試験を受験します。医学部を卒業しても国家試験に合格しなければ、医師免許の取得はできません。そして医師免許を取得したあとも、2年間の研修医生活が待っています。
研修医としていろいろな診療科で経験を積むことになりますが、研修医時代は給与が低く生活も決して楽ではありません。そして研修医として様々な診療科をまわったあと、さらに内科での専門研修を行うのです。ここで必修となっている実技研修を受けて、はじめて「内科医」として働くことが可能となるのです。
内科医の専門分野の種類とは?
内科の専門医には、一般内科をはじめ循環器科や呼吸器内科、消化器内科、血液内科など様々な専門分野が存在します。基本的に内科医とは臨床科学の専門医で薬理学と組み合わせて投薬による治療を行います。風邪や発熱といった症状の患者の治療を行うことも多く、かかりつけ医として地域医療に貢献しています。また総合病院など設備が充実している場所ではカテーテル治療といった外科的な治療を行うこともあり、医学の発展に伴って担当する範囲も広がっています。
また内科医は専門分野以外にも、幅広い知識が求められる診療科となっています。それは体の不調を感じた際に、まずは内科に足を運ぶ患者も多いことが影響しています。内科を訪れる様々な患者に対して内科医として対応するだけでなく、気になる症状がみられた場合は症状に合わせて適切な専門科へ引き継ぐスキルが必要となるのです。よって内科医は専門分野のノウハウを深めると共に、広く医療知識に精通した診療科といえるでしょう。
勤務医と開業医のどちらが年収が高い?
勤務医と開業医を比較した場合、一般的に開業医の方が年収が高くなる傾向にあります。また診察時間も自分自身で決定できるため、自由度の高い働き方ができる点も大きなメリットとなるでしょう。
開業医の場合は来院する患者数が年収に直結します。よって立地の良い場所にクリニックを開院したり、夜間・休日診療を行うことで、さらなる高年収が期待できます。また勤務医の場合も実績や経験によっては、高待遇で働くことが可能です。珍しい症例に関わった経験や大学病院などで研究していた実績が評価されれば、開業医以上の年収を提示されることもあるでしょう。
ただしそれぞれにデメリットもあります。たとえば開業医では何か医療トラブルが発生した場合、その対処を自分自身で行わなければなりません。一方勤務医は勤務時間や労働条件など働き方の自由度は低くなります。それぞれのメリット・デメリットを考えたうえで、開業医か勤務医かの選択ができると良いでしょう。
長く内科医を続けるためのポイントとは?
内科医を長く続けるためには、自分にあった働き方を見つけることが重要なポイントとなります。そのためには「自分がどんな医師になりたいのか」を考えて働くことが大切です。
また仕事とプライベートのバランスも意識できると良いでしょう。医師という仕事柄どうしても働きすぎる人が多い傾向にありますが、無理をしながら働き続けると身体を壊しかねません。「医者の不養生」にならないよう自分の心身の健康にも気を遣いながら働くことが、長く内科医を続けるためには必要なのです。