医師の仕事・働き方・キャリアプランについて

#86 転職回数が多い医師への評価は?

医師がキャリアアップを目指すなら転職も賢明な手段です。しかし、転職回数が多すぎると志望先から敬遠されてしまう恐れもあります。ここでは、転職回数が多い医師のリスクと「転職回数の多さがメリットになる」ケースを解説します。

転職回数が多い医師への評価は?

医師が転職する理由は何?

医師が転職する理由としてもっとも一般的なのは「労働条件」でしょう。現在の職場よりも基本給や賞与が高い職場で働きたいと考えるのは社会人として自然です。また、優秀な医師は他の病院で役職を用意されることもあり、転職によってキャリアアップできます。職場が過酷であるために、他の環境を求める医師もいます。医療業界は全体的に人手不足であり、病院によっては少数の医師が酷使され休日出勤や深夜残業が日常になっています。心身ともに限界を感じている医師は、他の整備された環境への転職を考え始めるでしょう。給料面が下がっても余裕のある病院で働きたいと思う人は珍しくありません。
働いているうちに「現在の職場への違和感」を抱き始めるケースもあります。経験を重ねたからこそ、医師の目指す仕事像と経営理念がマッチしていないことが分かってきます。また、得意分野や関心のある分野が他の病院でなければ深く携われないときもあるでしょう。医師の仕事は基本的に忙しく、モチベーションを高く保てなければ努力し続けていくのは困難です。今以上にやりがいを持って仕事をしていくためには転職するのも重要なプロセスです。

医局の人事以外の転職回数が多いのはプラスかマイナスか?

医師の中には転職回数が多い人もたくさんいます。グループ内で異動を繰り返している医師などは書類上「病院を転職している」ように見えます。しかし、実際には人事的な決定によるものであり、本人の意志で転職しているわけではありません。転職活動の際にも「転職回数の多さ」が問題になる可能性は少ないでしょう。むしろ、それだけさまざまな場所で実力を認めてもらっていた証明ともいえます。
転職活動中、良い印象を与えないのは「根拠があいまいな転職を繰り返している」医師です。普通、転職には「キャリアアップ」「自分の成長」などの目的があります。しかし、「とりあえず採用してくれる」病院を転々としているような医師は本人に問題があるように映ります。能力が低かったり、コミュニケーション能力に欠陥があったりして行く先々でトラブルを起こしているのではないかと疑われるでしょう。
転職がキャリアアップになっていない医師も歓迎されません。最初に勤めていた病院から転職先の規模がどんどん小さくなっていると「大病院で通用しなかった医師」との印象を強めてしまうでしょう。基本的に転職回数が多いのはマイナス評価になりがちです。

リスクをメリットにする転職の理由とは?

「転職が多い医師」が絶対にマイナス評価を受けるとは限りません。確かに転職の多さはリスクをともないますが、転職活動中には「メリット」のように演出することも可能です。転職活動では高確率で「転職理由」を聞かれるので、受けのいい返答を用意するようにしましょう。
たとえば、「給料」「休日の多い職場を求めて」などの条件面を理由にするのはおすすめできません。話に矛盾が発生する傾向があるうえ、「条件がよければどこの病院でもいい」と言っているに等しいからです。それよりも「仕事内容」を中心にした理由を述べましょう。「医師として成長するためにいろいろな診療を経験したかった」などの答えは理想です。病院によって診療している分野はまったく異なります。一つの病院にとどまっているだけでは経験できない診療があるのも事実です。医師としての向学心は説得力の強い転職理由になるでしょう。また、以前の職場にあった医療機器などの設備を理由にするのも効果的です。
医師がキャリアを高める道筋に「絶対的な正解」はありません。転職回数が多い医師もはっきりと理由を説明できるなら、転職志望先から好印象を抱かれることがあります。

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