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病院の特色
高齢化時代の医療ニーズに応える
東京女子医大の特定関連病院として専門的医療を提供するが、地域ネットワークの確立とともに役割分担が明確になり、患者様に最も適した専門医療を提供できるようになった。これまで埼玉県は東京の通勤圏としての利便性から人口が増加し続けていたが、少子高齢化時代を迎えて現在は減少傾向にある。
「後期高齢者人口の増加が予想される中で、急性期病院としての機能を果たすために、当院では人的資源活用によるリハビリを充実させて、一日でも早い高齢者の社会復帰を促すことが重要と考えています。あるいは脳卒中連携パスを導入して、脳卒中の早期発見や早期治療に結びつけるとともに、療養型病院との連携を深めて、医療の役割分担をさらに明確にしていくことが必要ですね。」
医療クラーク導入で医師の負担軽減
栗橋病院では、消化器領域において胆・肝・膵のそれぞれの専門医によるグループ診療を行っている。循環器領域では冠動脈インターベンションが年間約500例と多く、365日24時間体制で臨んでいる。症例数が多い消化器領域でも腹腔鏡下での外科治療や内視鏡的胆道系インターベンションが数多く行われている。
医師の負担軽減を図る目的で2006年から試験的に医療クラークを導入し、現在では17名の医療クラークが診療各科で活躍している。導入の目的は医師に本来の職能である診療活動に専念してもらうためで、書類作成業務の代行、入院オーダー入力、紹介状の返信代行などを行っているが、診療科によって医療クラークの業務内容は異なり、それぞれの診療科ニーズに基づいて業務を行っている。
「基本的には全診療科に配置していますが、導入1年後の評価では、医師の時間外勤務が減り、医師へのアンケート調査でもプラス評価が多かったですね。さらに診断書作成までの期間が短縮され、患者さんへのサービスにも貢献できることが認められました。当院では院内事務職の中から意欲のある職員を医療クラークとして採用していますので、病院事情にも精通しているのが大きな特色と言えるのではないでしょうか。」
臨床研修基幹病院として
東京女子医大から研修医が派遣されるが、栗橋病院は地域医療を勉強するうえで格好の臨床現場となっている。地域中核病院として医療ニーズを把握するとともに、多様な疾患に遭遇するため診断能力の向上にも役立っている。少人数の研修医をきめ細かく指導するのが特徴である。