理事長メッセージ
新棟の完成する2013年は恵寿総合病院の80周年となります。私共に対する信頼を寄せて頂いている地域の顔見知りの患者さんに対して、更に真摯な態度で接していく所存です。
七尾市は今年の10月に「東洋経済」の紙面上で「高齢者が住みよい町ランキング」全国総合ランキング第4位、「出産・子育てしやすい街ランキング」全国総合ランキング第5位に入りました。これは七尾市の高齢者に対する医療充実度が高いことと介護施設の充実、出産や子育てに対する安全・安心が担保されており、地域における認可保育所の充実等が評価された結果です。
そういう部分を含め、治安の良さ等を評価する「安心・安全な街ランキング」についても800以上の都市の中で54位にランキングされています。
これは、誌面上にもありますが、『けいじゅ』を含めた医療機関や介護施設が地道に地域のニーズに答えてきた結果でもあります。
先程もお話した通り、七尾市は確かに高齢化が進んでいますが、とても住みやすい街なのです。七尾市の高齢化が更に進んでいくというなら、私共は、それに合わせた医療体制を整備していきますが、勘違いして頂きたくないのは、だからと言って急性期医療がなくなる訳ではないのです。高齢者も心臓病等の急性期疾患になりますのでその治療も必要です。この「高齢者に対する急性期医療」、これはある意味で最先端医療と言えます。そういう医師を今後我々は募集し、育てていかなければいけないのです。
あらゆる高齢者疾患を今の段階で経験できることは、医師として将来に対して大きなアドバンテージになります。そういう状況ですから当然、医療と福祉の連携についても学ばざるを得ないのです。それが無駄になることは決してありません。なぜなら、近い将来どこの地域にも高齢化社会は必ずやってくるのですから。
本物のチーム医療はひょっとするとここにあるのかもしれません。というのは高齢者の方は、疾患を複数抱えていることが多いですから、正直チーム医療で治すしかないのです。全ての疾患を自分独りで診ることは到底出来ないのですから。
イメージとしては、「心筋梗塞で救急に来た患者さんが、糖尿病を持っていて高血圧で脳梗塞も疑いがあるし、白内障は当然持っている」なんてことがここでは日常的に在り得るのです。
恵寿総合病院は、今まで多数の研修医を育ててきた基幹型の臨床研修指定病院ですから、そういう意味でもチーム医療は不可欠です。初期研修医や後期研修医を色々な立場で育てることで自分自身も学べることがある筈です。
そういう部分も含めて全て『けいじゅ』の魅力だと感じています。
最後にお話したいことは、医師としてオンオフをしっかり区別して欲しいという事ですね。
勿論、医療は地域にしっかり根付いてやって欲しいのですが、先生の生活を地域に縛り付けるつもりはありません。プライベートは勿論個人の自由です。病院のすぐそばにヨットハーバーがありますので、マリンスポーツや釣り、家庭菜園等が好きであればいくらでも楽しめますが、都会にしかないものを求めるなら、1時間弱で金沢に行けばいいのです。休みの日は、能登空港から1時間程飛行機に乗って、東京へ行って三ツ星レストランで食事して帰ってきてもいいし、札幌でラーメン食べて来るのもいい。(笑)
ここでしっかり稼いで、その分、好きな場所でプライベートを楽しみ、ガス抜きをする。
本物のチーム医療や高齢者医療もしっかり勉強して、自分自身の臨床における腕を磨くことは、とても合理的な選択ではないでしょうか。
是非沢山の先生方と色々な話をしてみたいですね。きっとお互いに得るものがある筈です。