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「全人医療の実践」
日本バプテスト病院
運営・経営方針
1.運営・経営方針
尼川病院長に運営や経営方針について、尋ねた。
「1955年から左京区という地域に密着した病院として続いていますので、これが病院運営の根幹ですね。地域あってのバプテスト、バプテストあっての地域だと考えています。そのためには左京区の医師会や開業医の先生方、関連病院とのしっかりした連携が必要ですから、皆で地域医療介護を構築していこうとしているところです。」
日本バプテスト病院では2012年に地域医療介護支援センターを1階に作り、多職種で連携しながら、医療と介護の一体化支援を速やかに行っている。
「最近は超高齢少子化社会が急速に進展しています。当院は急性期病院ではありますが、高齢の患者さんが非常に多いです。入院患者さんのうちの半分以上が70代以上ですし、80代以上の方も少なくありません。高齢の患者さんは急性期の病態が治っても、ADLの低下などにより、自宅にすんなり戻れない場合が多いです。そこで介護支援など、うまく在宅医療にもっていったり、施設入所支援が必要となります。地域医療介護支援センターはそのための組織です。医師、看護師、クラーク、事務スタッフ、ソーシャルワーカーがチームとして連携して業務にあたっているんですね。地域包括ケアという言葉が生まれる前から、当院ではそういう時代になることを予測して取り組んできました。ある意味で、時代を先取りしています。だから、急性期病院でありながら介護支援をきちんと考え実践している病院だと自負しています。」
2.女性医師
女性医師の働きやすい環境があることも特徴である。2013年には院内保育所の「ぶどうの実保育園」を併設した。
「院内保育所がありますので、女性医師が子どもを預けて仕事ができる体制となっています。2017年4月からは週末や祝日のみ、学童保育も始める予定です。女性医師が働きやすい環境ですね。現在は内科は11人中2人、外科は3人中1人が女性医師ですが、産婦人科と小児科はそれぞれ5人中3人が女性医師なんですよ。」
3.今後の展開
今のところ新しい分野に打って出るというようなことは考えていません。受け入れられる患者さんを可能な限り、受け入れていくことに尽きますね。また、院内に関しては職員が働きやすい環境の整備に力を入れていくつもりです。